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なやみのとびら、著名人が解決!

「そんなことも知らないの?」に疲れます 著述家、湯山玲子さん

2018/11/8

著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ!」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。

「自分の知っていることは相手も知っていて当然」という人に疲れます。妹と同僚がそのタイプです。知っていることとはご近所、読んだ本、専門分野など、狭くてマニアックな話題。ひとこと説明があって当然、そもそも他人が興味を持つ話じゃないと思います。知らないので質問すると「そんなことも知らないの?」とあからさまにバカにされるし、興味ない話を延々聞かされるのも苦痛です。(東京都・女性・40代)

人に嫌われる性質のひとつに「自分の話しかしない」というものがあります。大人はそういう危険を避けるため、「話題」というそこにいる人間とは関係ないトピックを会話のネタにしていきます。地域の噂だったり、共通の知人の悪口だったりの「知り合いネタ」。ニュースやワイドショー系の芸能人や凶悪犯罪の話題もあります。あとはダイエット、美容、グルメなど女性誌の定番ネタでしょうか。

コミュニケーションには、こうした時間や場を持たせるための空気づくりのような会話と、もうひとつ、知らない情報を交換して刺激をうけていく会話、があり、同僚と妹は後者を好むタイプなのでしょうね。その話を「そもそも他人が興味を持つ話じゃない」と憤る相談者氏はもちろん前者。かくいう私も会話のパターンは完全に情報型で、とりとめのない会話が苦手ですが、理想はもちろん両方を楽しめる「バイリンガル」です。

本来、会話パターンが水と油の妹と同僚が、それでもマニアックなネタを持ち出すのは、もしかしたら「同じネタで盛り上がりたい」という意図の招待状なのかもしれません。どうも相談者氏は「自分の知らないこと」が人から伝えられたときに、そういう話題をふる方が間違っている、と感情的に拒絶してしまうキライが見て取れる。

知らない→バカにされる、というこの思考回路はちょっともったいない。今までの自分を変えてくれるのは、新しい世界の情報だったりするわけで、知らない→質問してネタを自分のものにする、という「ゲットの精神」を作った方が何かとお得。ちなみに「付き合った男がジャズ好きだったのでジャズに詳しい」など女性の“あるある”は、このパターンの耳学問です。

「それでも、自分がつまらないと思っていることを相手に分からせたい」なら、「ところで&そういえば」と話の腰を折るやり方があります。これを2~3回繰り返せば、相手が「この人にこの話題を出してもムダ」と悟るはず。もちろん、相手の気分は害しますが、相談者氏のイライラは解消されます。

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[NIKKEIプラス1 2018年11月3日付]

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