場を凍らせても気づかない 自己チュー人間の行動様式タイプ3・自己中心的で相手の心に関心がない

落ち込んでいる人の傷口に平気で塩を塗る

周囲の人たちを慌てさせるだけでなく、言われた当人をイラッとさせるということも、当然ながらしょっちゅう起こる。

険悪な間柄なわけではなく、ふつうに楽しく談笑しているときでも、いきなりきついことを言ったりする。それはもう慣れっこになっていても、ミスをして落ち込んでいるときにダメ押しみたいなことを言われたりすると、さすがにイラッとくる。

たとえば、顧客との約束をうっかり忘れ、苦情の電話があり、上司から叱られてシュンとしているとき、それを見て、

「何だか今日はおとなしいな。何かあったのか?」

と声をかける。それくらいならよいのだが、

「いや、何でもないよ」

と言っても、

「そうか、また何かヘマして落ち込んでるのかと思った。お前はヘマが多いからな」

などと言って高笑いする。

落ち込んでそうな様子を見て、周囲の人間がそっとしておいてやろうと思っていても、そんな配慮は一切ない。傷口に塩を塗るようなことを平気で口にする。デリカシーのかけらもない。

そのような察しの悪さが仕事面にまで絡んでくると、とんでもなく厄介なことになる。

察するということが苦手なため、伝わるだろうと思っていたことが伝わっていなかったというようなことが頻発する。

定期的に開いているある会合を今月はこの日に開催しようと思い、その旨を部下に伝え、部屋を押さえておくように頼んでおき、当日その部屋に向かうと、入り口周辺にメンバーたちがたむろしている。その中に、頼んでおいた部下がいたので、

「どうした?」

と声をかけると、

「鍵が開いてないんです」

と不審そうな表情で答える。

「君に頼んでおいたはずだが」

と言うと、

「えっ? 部屋を押さえるようにということだったから予約はしましたけど……」

ともぐもぐ言って慌てている。

たしかに部屋を押さえてくれと言ったわけで、鍵を借り出してくれとまでは言わなかった。これまでの部下はそれだけで通じたのに、この人物には通じなかったことに唖然(あぜん)とする。

「じゃあ、だれが鍵を開けると思ったんだよ」

と心の中でつぶやく。

遠回しな言い方など一切通じない

その類の話もしばしば耳にするようになった。はっきり言わないと通じないのである。

言ってみれば、察しが悪く、空気も行間も読めないため、すべてを言葉ではっきり伝えないコミュニケーションが苦手なのである。

察しの悪い人間も増えていることだし、できるだけ言葉ではっきり伝えよう。そんな動きもあるが、はっきり言うにも限度がある。すべてはっきり言葉で伝え、いちいち言葉で確認するとなると、とんでもない言葉数と手間がかかる。ある程度は察してもらうしかない。

そのため、察しの悪い人物とかかわると非常に厄介なことになる。

「このくらいはわざわざ言わなくてもわかるだろう」「はっきり確認しなくても、このくらいはわかってるだろう」というようなことがあるものだが、それが通用しないのだ。ふつうわかるだろうと思うことがわからない。

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