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World Food Watch

メキシコで大流行 「テキーラの母」なるメスカルとは

2018/11/8

テキーラと同じリュウゼツランから作られる蒸留酒「メスカル」

これは、かつてメスカルはテキーラのように厳格な規定がなかったために、水で薄めた粗悪なものが出回った時期があり、芋虫を入れることによってアルコール度数の証明にしていたからとか。メスカルやテキーラのアルコール度はだいたい38~40度。このくらいの度数ならば虫も腐らずに原形を留めているはず、というわけである。

現在はメスカルもテキーラのように規制委員会が作られ、品質を厳しく管理するようになった。加水したような粗悪品はなくなったが、客の目を引くために現在も芋虫入りは生産・販売されている。私も土産店でよく目にしてはギョッとしたものだ。

ちなみに、この芋虫は食べられる。メキシコには昆虫食の文化があるのだ。グループでこれをシェアして飲んでいるときに、注がれたグラスに芋虫が入った人はラッキーで、それを飲み干した人には幸福が訪れるという「言い伝え」もあるそうな。いや、それ逆でしょ。罰ゲームでしょという気がするが……。

試しに私も「グサーノ・ロホ」という有名な銘柄を飲んでみた。土産店の店員さんは虫の味はほとんどしないと言っていたが、若干たんぱく質の風味というか、アミノ酸っぽさを感じた。芋虫も食べてみたが、苦いだけでまったくおいしくない。「芋虫はなくてもいいかな」と正直思ったが、好きな人にはたまらない、根強いファンのいるお酒だという。

グサーノを取り出して食べてみた アルコール臭と苦みが強かった

この「グサーノ・ロホ」は実は日本に最初に紹介されたメスカルで、それゆえにメスカルというと「あの、芋虫が入っているやつ?」と思っている人も多い。しかし、実際は虫が入っていないものもたくさんあるので、誤解なきように。

グサーノはメスカルの「アテ」としても食される。メスカルもテキーラも一般的にショットグラスで供され、ストレートで飲む。このとき、テキーラにはレモン(日本の感覚だと「ライム」に近い)とプレーンな塩、メスカルにはオレンジと赤い塩が添えられることが多い。赤い塩にはトウガラシと乾燥した芋虫の粉末が混ざっている。こちらはちょっぴり香ばしくて、まあイケる。オレンジにちょっとの「芋虫塩」をつけてかじってからメスカルを口に含ませるのがお作法だ。

日本のメキシコ料理店でもメスカルは味わえるし、最近では日本でも専門のバーができ始めている。グサーノ入りのも入ってないものも是非一度試してみていただきたい。

(ライター 柏木珠希)


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