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メキシコで大流行 「テキーラの母」なるメスカルとは

2018/11/8

乾燥して粉末にした芋虫とトウガラシ入りの塩とオレンジを添えるのがメスカルの飲み方

「テキーラの母」と呼ばれる酒「メスカル」が世界中で注目されている。今回はメキシコの「メスカル」について紹介しよう。

メキシコきってのビーチリゾート・カンクンに行ったときのことだ。レストランで料理を注文すると、ウエイターに「飲み物はどうしますか?」と聞かれた。メキシコのお酒といえばやはりテキーラだ。私は「テキーラは何がおススメですか?」と聞いた。すると、どのようなものが好みかを尋ねられた。私はこう答えた。

「家族で経営しているような小さなメーカーのもの。工業製品というよりは手づくり、クラフトみたいなのが希望です」

「この国の一番ポピュラーなのをちょうだい」と言うと、日本でも飲めるようなメジャーブランドがうっかり出てくることがある。できれば、その国でしか飲めないもの、ワインだったらブティックワイナリーのもの、ビールならクラフトビールが飲みたい。そのような意図から出たリクエストであった。

すると、ウエイターは「だったら、テキーラじゃなくてメスカルはどうですか?」と言って、メニューの「メスカル」のところを指さした。メスカルとはテキーラと同じ「リュウゼツラン」からできたお酒……程度の知識は、私にもあった。

「では、それをお願いします。どれが小さなメーカーのクラフト・メスカルですか?」と聞いたら、ウエイターは一言、こう答えた。

「全部です」

彼は、メスカルはテキーラと違い小さな作り手によって生産されていること、作り手・地域によって個性があること、今はメキシコで大ブームであることなどを説明してくれた。

調べてみると、私はそれまでメスカルについて大きな誤解をしていることに気がついた。テキーラは「アガベ・アスール」という種類のみを原料に使い、テキーラ村周辺の5つの州で作られたもの、など細かい定義をクリアしたものだけが「テキーラ」と名乗れるのだということは聞いていた。だから、メスカルとはそれ以外の地域でテキーラを模倣して作った二級品なのだと思っていた。

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