この春、「新年度、第一印象で勝つ」ための装いを“身だしなみ+お洒落少々”という言葉で表現させて頂いたが、生地や織りが厚みを増し、より幅広くなる秋冬シーズンでは、季節に沿った表現や、もう半歩彩りを加えたスタイルこそが印象upの近道だ。いわば「身だしなみ+“もう少々”お洒落」。基本から実例まで、とくとご研鑽あれ。
攻めたシャツorタイを好印象に変えるには……
ニットとベストが特効薬。
いつもと違うシャツタイで攻めたいが、強く主張しすぎないか心配……。そんなときは、ニットやベストでVゾーンの面積を狭めるテクが有効だ。
それに慣れてきたら、ニットやベスト自体も攻めたものとしながら全体の調和をとる、応用技にステップアップしよう。
01. 暗色のベストで柄同士を馴染ませる
英国的なグレンプレイドは昨今人気だが、スーツやジャケットではなく、身体の真ん中に垂らすタイで取り入れることに怯む人もいるかもしれない。特に服のほうも柄入りの場合、うるさい印象となりがち。そこでここではダークネイビーの襟付きベストをIN。Vゾーンの面積を調節することで、3ピーススーツ的に全体を落ち着いて見せることが可能だ。
〈 ベストの基本 〉
02. ブルー系のグラデの中でグリーンを新鮮なスパイスに
ストライプタイは誰もがお持ちだろうが、このようにはっきりしたグリーン縞のタイとなると中々勇気がいるだろう。とはいえ、このタイはもうひとつの縞がネイビーゆえ、紺ベストがあれば簡単。スーツやシャツもブルー系でまとめれば、グリーンが端正さの中のほどよい彩りに。さらにベストでVゾーンを狭めることで、トラッドな気品まで香ってくる。
03. 柄×柄の賑やかなVゾーンをベストで巧みに引き算
ヴィンテージ調の柄をジャカードで配したマスタード色タイに、マルチストライプシャツの組み合わせ。クラシックの粋を感じさせるVゾーン演出だが、ややクセの強さもある。そこでここもベストを挟み、シャツタイが見える分量を調節。タイに馴染ませるべくベストはタイと同系統のベージュ色。明るい色味は、全体を軽快に見せる効果ももたらしてくれる。