この春、「新年度、第一印象で勝つ」ための装いを“身だしなみ+お洒落少々”という言葉で表現させて頂いたが、生地や織りが厚みを増し、より幅広くなる秋冬シーズンでは、季節に沿った表現や、もう半歩彩りを加えたスタイルこそが印象upの近道だ。いわば「身だしなみ+“もう少々”お洒落」。基本から実例まで、とくとご研鑽あれ。
意外性ある、第2の好印象作りは……
抑制の黒と、華の秋色を使い分けて。
もう半歩先の色気を表現したい時、有効なのが季節に適った秋色=暖色系。ウォームで明るく、寛いだ印象を与えられ、成熟した大人の風格演出に効く。
逆に“引き算”の発想で注目なのが黒。力強く、モード&スタイリッシュな男らしさも薫る色として人気上昇中だ。
01. 秋らしい彩りで王道の紺スーツも色気アップ
端正なネイビー無地のスーツ。いくらでもシャープに着ることができる一着だが、ボルドーの細ストライプシャツとオレンジベースの小紋タイという秋らしい合わせにより、ぐっと柔和でエレガントな印象に。ちなみにこのスーツはスーパー160’sウールを使用。その豊かな光沢としなやかな生地感が、7つ折りで仕立てたシルクタイとぴったりリンクしているのもポイント。
02. 暖色でまとめた装いの中でクレリックの白襟がヌケ場に
微光沢をたたえたブラウンスーツ自体が秋を意識させるのに、シャツ+タイも暖色としたことで、より季節に相応しいムードとウォーム感を得ている。それでいて端正さも感じさせるのはクレリックシャツの白襟がヌケ場となっているため。その襟のピンホールにゴールドのカラーピンを挿したことで、秋色でまとめたスタイルが一層格調高く見えるのもいい。