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選手村マンションは買いか 4千戸、臨海部で割安かも 三井不動産レジデンシャルなど、19年5月発売へ

2018/11/6 日本経済新聞 朝刊

建設中の五輪・パラリンピック選手村(東京都中央区)

三井不動産レジデンシャルなど11社は、2020年東京五輪・パラリンピックの選手村のマンションを19年5月に発売すると発表した。大会中は選手が宿泊し、大会後に改修して一般に分譲する。5600戸に1万2000人が住む新たな街が24年度に完成する。選手村は五輪レガシー(遺産)の目玉で、マンションの価格や売れ行きが今後注目を集めそうだ。

1万2000人が住む新たな街が24年度に完成する(イメージ図)
街の名前は「ハルミフラッグ」とする(10月31日の記者会見、東京都港区)

五輪選手村は東京都の再開発事業で、三井不レジや三菱地所レジデンス、住友不動産や野村不動産、東急不動産や東京建物といった不動産大手など11社が参加。マンション分譲などを手がける。晴海の約13ヘクタールにマンション23棟と商業施設1棟の計24棟を建設する。

10月31日の記者会見では新たな街の名称を「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」にすると発表した。「都市生活のフラッグシップ・モデルとなる街を目指す」(三井不レジの野島秀敏・選手村事業部長)との思いを込めたという。

19年春にマンションのモデルルームを公開し、5月下旬に発売する。全5632戸のうち、分譲が4145戸、賃貸が1487戸となる。建物の完成は五輪後に改修する中層棟が22年秋、五輪後に建設するタワー棟が24年春を予定する。住民の入居は23年春ごろから順次始まる見通しだ。

選手村マンションのネックは交通の便だ。鉄道の最寄り駅は都営地下鉄・大江戸線の勝どき駅で、徒歩25分前後かかる。都は都心と臨海部を結ぶ幹線道路「環状2号(環2)」を整備し、その上にバス高速輸送システム(BRT)を走らせて選手村の住民の交通手段にする計画を立ててきた。

環2とBRTは築地市場の移転延期で計画が遅れていたが、22年度の全線開通と本格開業が今夏に決定。これを受けて今回の発表となった。ただ、BRTは本格開業後も当初の輸送力が1時間あたり1200~2000人程度と鉄道に比べて大きく見劣りする。臨海部と東京駅周辺を結ぶ地下鉄構想もあるが、実現の時期は見通せない。

マンション市況への影響も懸念されている。選手村で約4000戸が売り出されれば、タワーマンションなどの開発が相次ぐ臨海部の他の物件と競合するからだ。ある不動産関係者は「大量に売りさばく選手村の物件は坪270万~280万円とも言われ、坪350万円超で売られる周辺の物件が値崩れを起こす可能性もある」と指摘する。

三井不レジの野島部長は「数年かけて売る。価格はマーケットのかく乱要因にならないようバランスを見ながら考える」と説明する。前回16年のリオデジャネイロ五輪では、選手村を活用したマンションへの入居者が少なく、負の遺産となっている。来春に公表されるマンションの価格が再開発の成否でカギを握りそうだ。

[日本経済新聞朝刊2018年11月1日付]

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