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やせ気味の人は肉・魚から 食後高血糖を防ぐ食事術 病気リスク高まる「血糖値スパイク」(中)

日経ヘルス

2018/11/19

(イラスト:谷小夏)
日経ヘルス

食事の後に血糖値が急激に上がる「血糖値スパイク」。長い間繰り返していると、脳卒中や心筋梗塞などにかかる危険が高まる。1回目の「怖い食後の血糖値急上昇 傷む血管、疾患のリスクに」に続き、2回目は血糖値スパイクを防ぐ食事ルールを紹介する。

◇  ◇  ◇

血糖値スパイクを防ぐうえで最も重要なのが食生活の改善。甘いジュースを飲んで糖質たっぷりの甘いパンを食べて終わり、といった食事は避けたい。

(イラスト:谷小夏、グラフ:増田真一)

血糖値を上げる大きな原因は糖質メインの食品。おかゆやうどん、ジュースなど、糖質が多いうえに、吸収のいい食品は血糖値スパイクを起こしやすい。特に、主食では、白米のご飯や精白小麦のパン、うどんなど、“白い”糖質は注意が必要だ。これに対して、雑穀米や全粒粉小麦、そばなど“茶色”の食材は血糖値を上げにくいので、意識して切り替えることで血糖値スパイクの予防になる。

食べる順序も大切。ダイエットの面からも注目を集めている、野菜から食べる「ベジファースト」は、血糖値スパイクを予防するためにも有効だという研究結果が示されている。同じメニューを、食べる順で比較した実験で、野菜を先に食べた場合は血糖値の上昇は穏やかで、ピークの値も低くなった。

ただし、「壮年期以降やせている人は、筋肉量を維持するため、魚・肉を先に食べるのがお薦め」(東京慈恵会医科大学の西村理明教授)。自炊をするときでも、献立は野菜や海藻など食物繊維の多いものを意識。それらを先に、たんぱく質や脂質が続き、その後にご飯ものという食べ方にするとよい。

一方、太らないようにと思うあまり、手っ取り早く朝食やランチを抜きがちだが、こうした「欠食」は血糖値スパイクに加勢するという研究結果がある。3食をきちんと食べた場合に比べると、1食抜きでは次の食後の血糖値の上昇が大きく、急な立ち上がりになる。2食抜きの場合はその傾向がさらに高まる。しかも、「空腹が続いた後では、どか食いになりがちなうえに栄養吸収率も高まるので、太りやすくなってしまう」と西村教授は付け加える。

南昌江内科クリニックの南昌江院長は、「インスリンの分泌能力や腸からの栄養吸収能力は個人によって異なるので、詳細を知るには専用の機器で血糖値を測ってみるといい」と指摘する。更年期を迎えると基礎代謝は低下し、肥満になりやすくなる。インスリンの効き目が弱くなり、血糖値が上昇しやすくなるからだ。血糖値の変動や栄養バランスにも気をつけよう。

西村理明さん
東京慈恵会医科大学(東京都港区)糖尿病・代謝・内分泌内科教授。1991年、東京慈恵会医科大学卒。富士市立中央病院などを経て2002年から東京慈恵会医科大学。18年7月から現職。
南昌江さん
南昌江内科クリニック(福岡市南区)院長。1988年、福岡大学医学部卒。九州厚生年金病院、福岡赤十字病院勤務を経て、98年に糖尿病専門医院を開業。14歳の時に1型糖尿病を発症した。著書に『わたし糖尿病なの』(医歯薬出版)。

(ライター 中沢真也)

[日経ヘルス2018年11月号の記事を再構成]

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