この春、「新年度、第一印象で勝つ」ための装いを“身だしなみ+お洒落少々”という言葉で表現させて頂いたが、生地や織りが厚みを増し、より幅広くなる秋冬シーズンでは、季節に沿った表現や、もう半歩彩りを加えたスタイルこそが印象upの近道だ。いわば「身だしなみ+“もう少々”お洒落」。基本から実例まで、とくとご研鑽あれ。
<<(1)Vゾーンの基本の「き」 襟元に美しいシンメトリーを
フツウなのに何故か素敵、は……
メランジ調の“1.5色”で実現しよう。
気張らずセンスよく見せるための手っ取り早い方策が、メランジ調生地の活用。理由は、単色のように見えてそれより奥行きがある“1.5色”ライクな発色だ。
単色よりも中庸的なトーンになるため、他アイテムの色柄とも馴染ませやすく、カンタンに配色上手になれるのも、メランジならではの魅力と言えるだろう。
01. メランジ調の豊かな風合いを白のツイルシャツで際立たせる
黒糸と白糸がジグザグ模様を描く、どこかヴィンテージの趣が薫るメランジ調生地を用いたスーツ。その温かみを活かすべく、タイはブラウン系のレジメンタルタイを合わせた。リネンウールのタイの節感も、ニュアンスアップに貢献。シャツは適度な素材感のあるツイルの白シャツを選び、風合いのバランスに配慮しつつ、スーツの趣を際立たせている。
02. ストライプスーツを主役に鉄板のブルーグラデを構築
クラシック然としてアクの強いチョークストライプも、メランジ調だとどこかフランクな見映えになって取り入れやすい。スーツに豊かなニュアンスがあるため、シャツタイはシンプルに徹するのが基本。ここではサックスのツイルシャツ&ネイビーのカシミアタイを合わせて、爽やかなブルーグラデを構築した。好印象間違いナシの、鉄板コーデといえよう。