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時代に応じて変わってきたジェンダー規範をおさえて発信すれば、不用意な炎上は防げるはずだ

時代に応じて変わってきたジェンダー規範をおさえて発信すれば、不用意な炎上は防げるはずだ

ここ数年、インターネットで「炎上」し、発信者のブランドを傷つけるCMや動画が増えている。特にジェンダーにまつわる差別や価値観の押しつけと受け取られたケースが目立つ。大企業や自治体が、なぜこんな問題を起こすのか。今回の書籍「炎上しない企業情報発信」は、ジェンダーに関する知識をビジネスの新しい教養と位置づけ、無自覚な失敗をなくす意識改革を促す。

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治部れんげ氏

治部れんげ氏

著者の治部れんげさんは、1997年一橋大学法学部を卒業。日経BP社で経済誌の記者として活動、ミシガン大学フルブライト客員研究員として米国での生活も経験しました。2014年からフリージャーナリストとしてダイバーシティーや女性のエンパワーメントについて執筆。18年には一橋大学大学院商学研究科経営学修士コースを修了しています。著書に「稼ぐ妻・育てる夫」(頸草書房)などがあります。

炎上CM・動画、共通点は「押しつけ」

ファッションビルのルミネ、資生堂、宮城県、キリンビバレッジ……。これらの企業・自治体のCM動画はネットを中心に多くの批判を浴び、取り下げや削除、謝罪といった対応を迫られました。その共通点として、著者は「社会慣習や男性に都合の良い"型"を女性に押しつけている」と分析します。

たとえば、資生堂の化粧品ブランド「インテグレート」のCMは、次のような内容でした。25歳の誕生日を迎えたある女性と友人のパーティーを描き、「今日からアンタは女の子じゃない!」「もうチヤホヤされない」「カワイイという武器はもはやこの手にはない!」といった言葉を並べます。だから「インテグレート」で化粧しようと訴えたかったようですが、強い反発を招きました。

 女性には仕事の成果ではなく見た目の華やかさを求める―――。こうした発想は、数十年前、女性は総合職でもお茶くみを期待されるような暗黙のルールとして表れていたが、今ではほとんど見られなくなった。
 時代が変わり、女性も男性も能力に応じて、自分の職務を果たすべき。そんな風に考える人が増えた今「女性は職場の華」という発想を前面に出した動画が非難されるのも無理はない。
(第2章 なぜ優良企業のCMが相次いで「炎上」するのか 36ページ)

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