秋冬ショートブーツ 「大人かわいい」コーデで決める
宮田理江のファッション戦略論
秋の深まりとともに取り入れたくなるのがショートブーツ。今シーズンは、フェミニンな服に合わせて、「大人かわいい」コーディネートに仕上げてみませんか。ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが解説します。
秋が深まってくると、そろそろブーツを試したくなる。軽快な見栄えのショートブーツは、着姿全体にアクティブ感を寄り添わせる。今シーズンは、フェミニンな服と引き合わせて、ムードを深くするのが賢い迎え入れ方。上品な「大人かわいい」系コーディネートに整えられる。ショートブーツを柱に据えたスタイリングを、ガーリーフェミニンがお得意のブランド「JILLSTUART(ジルスチュアート)」の新作ルックからつかんでいこう。
白のショートブーツは、上品クールへの導
き手
白のブーツがトレンドアイテムに急浮上してきた。どこかノスタルジックな雰囲気の他、ピュア感、清楚さなどを併せ持つから、自分好みのスタイリングに生かしやすい。編みひもで締めるレースアップのブーツは持ち味のアクティブな表情を生かして、たおやかなワンピースに合わせると、複雑なムードのコーディネートに仕上げられる。
一見、スカートに見えて、実はハイウエストのワイドパンツという、意外感の高いボトムスにも、クールな印象を寄り添わせてくれる。ブーツにかぶさってしまわない裾丈を選ぶと、ショートブーツ特有の軽快感を引き出しやすい。フェザーの袖先飾りをあしらったニットトップスで冬のスタイリングを華やがせて。
赤のショートブーツは、あでやかフェミニンの仕上げに
濃いレッドのショートブーツは、あでやかなムードを足元に呼び込んでくれる。秋冬ルックは色がダーク系に寄りがちだが、フェミニンで情熱的な赤は華やかな雰囲気をまとわせる。リブ編みニットトップスの上からドット柄のワンピースを重ねてノスタルジックな雰囲気に仕上げた。ワンピースの花柄の同系色を、ブーツで迎え入れることであでやかさとシックさがミックスされた着姿に整っている。
マルチカラーのボーダー柄はこの秋冬の新顔モチーフ。ニットトップスに迎えると、ポジティブな着映えに。トップス裾をウエストインしてハイウエストパンツで合わせれば、上半身がコンパクトに映る。さらに、パンツと同系色のショートブーツを選ぶと、つながって見える分、脚を長く印象づけやすくなる。ワイドパンツの広い裾からシャープなショートブーツがのぞくおかげで、きゃしゃ感まで引き出してくれる。
落ち着きショートブーツは、大人シックの隠し味
落ち着いた色みのショートブーツは着姿をシックにまとめてくれるから、その分、服で遊べる。ダークトーンに沈みがちな秋冬ルックにうれしい華やかな色使いのウエアを引き立ててくれる。
2018年秋冬には、複数のモチーフを組み合わせる「柄on柄」や、質感の違いを際立たせる「異素材ミックス」などのトレンドが有望。これらを静かに着地させる上でも、シック系ショートブーツはいい仕事をしてくれそうだ。
ジルスチュアートが提案する新レトロスタイル
ニューヨーク発のブランド「ジルスチュアート」は愛らしさと大人っぽさを兼ね備えたテイストに日本でもファンが多い。2018-19年秋冬コレクションでは「MELANCHOLIC RETORO(メランコリック レトロ)」をテーマに据えて、どこか郷愁を帯びたアンニュイな装いを提案している。
ショートブーツは量感が控えめなので、気負ったふうに見えにくく、着こなしにこなれ感が出る。お仕事ルックやきれいめコーデのパンプスを、ショートブーツに履き替えるだけでも、力みを遠ざけた「はずし」にスタイリングに仕上がる。この秋冬はアウターでボリュームを出す着方が盛り上がりそうだが、ショートブーツは足元の引き締め役として着姿にめりはりをもたらしてくれる。ブーツの色次第でムードを操れるから、今回の3パターンを軸に、自分らしいカラーバランスを組み立ててみて。
(画像協力 JILLSTUART)
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年10月13日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。