グロソブの島で語る 積み立て投資こそ王道(渋沢健)コモンズ投信会長

「共通KPI」の対象となるファンドは設定来5年以上であり、弊社は「コモンズ30ファンド」1本である一方、大手金融機関は多数のファンドの合計になっている。含み益の顧客の比率が高いのは弊社のような独立系であり、大手のようにファンドを乱立させることは顧客本位につながらなかったといえるのではないだろうか。

好成績となったのは積み立て口座のおかげ

ただし、顧客の97.7%が含み益という結果になったのは我々が天才集団だからではない。社内で運用に携わるメンバー、顧客管理に携わるメンバー、マーケティングに携わるメンバー、総務人事に携わるメンバーなど、全員が同じ理念に共感し、助け合って、愚直に長期投資の業務に取り組んだ結果だ。

そして、弊社が業界でもトップクラスの好成績となったのは間違いなく、「79%」の存在がある。これはコモンズ投信で積み立て投資の「つみたて口座」を設けていただいている人たちの割合だ。

少額であっても長期間にわたってお金が毎月弊社に届くからこそ、実現できた成績だ。だから、弊社にとって、口座の開設者は単なる「顧客」にとどまらず、運用成果をともにつくり出す「お仲間」なのだ。

定時定額の積み立て投資は「高値では少ない口数、安値では多くの口数」を購入するのが特徴だ。相場下落時に安く多く買えるため、相場の回復時に利益を生む源泉となる。当然ながら、その原資は毎月届く資金だ。

もちろん、「いままで」の成績が「これから」の成績になる保証はない。ただ、積み立て投資の比率が高ければ高いほど、良好な成績につながりやすいのは事実だ。これから業界のビジネスモデルは「フロー」型から「ストック」型へ――。積み立て投資を普及させ、資産運用の王道へとかじを切ろうではないか。グロソブの島を二度とつくってはならない。

渋沢健
コモンズ投信会長。1961年生まれ。83年米テキサス大工学部卒。87年カリフォルニア大学ロサンゼルス校MBA経営大学院修了。JPモルガンなどを経て、2001年に独立し、07年コモンズ株式会社(現コモンズ投信)を創業、08年会長就任。著書に「渋沢栄一 100の金言」(日経ビジネス人文庫、2016年)など。
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