都庁第一本庁舎の職員食堂は全部で863席(左)。多摩産材で作られたプランターもある

今年10月1日にリニューアルオープンしたばかりの東京都庁第一本庁舎(東京都新宿区)にある職員食堂は国内外からの観光客でにぎわいを見せている。都庁で働く職員だけでなく、一般の人も手続きをすれば利用可能だ。都庁舎1階または2階で所定の用紙に記入し、一時通行証を交付してもらう。都庁職員と一般客の食堂利用の割合はおよそ半々だそうだ。

32階まで上がった先にある食堂はフロア中央にあるカフェコーナーを中心に、北側ではカレーやラーメンなど単品メニュー、南側では定食メニューを提供。いずれの料理も食堂入り口の券売機で食券を購入するが、カフェコーナーのみ受け取り口で現金払いできる。

あっさりとしたしょうゆ味の「都庁ラーメン」(上)と、32品目の食材が詰まった「都庁弁当」

ランチは日替わりメニューやワンコイン(500円、税込み)メニューなど豊富にそろう。ここでしか食べられない「都庁ラーメン」(570円、同)や「都庁弁当」(650円、同)は特に人気があるメニューだ。都庁ラーメンは1.5人前の麺を使用し、東京都青ヶ島産のあごだし粉末をかけ、「都庁ラーメン」とプリントされたノリを添えた、食堂の看板メニューだ。素朴なしょうゆ味にあごだしのうまみが加わり、スルスルと食べ進められる。

都庁弁当は食堂がある32階にちなんで32品目の食材を使用。東京都八丈島産のムロアジのすり身を入れたメンチカツなど、肉・魚・野菜のバランスが良い。カフェコーナーで買える「カプチーノ」(180円、同)は3種類のうちいずれかのイラストをココアパウダーで描いてくれるサービスもある。

「カプチーノ」のラテアート。左から都庁舎、東京都シンボルマーク、パンダ

食堂の昼食時間の営業は11時半~14時までだが、「カフェコーナーは8時から17時まで開いているので、食堂の開いていない時間も店内で焼いたパンやドリンクが購入できます」と、東京都人材支援事業団業務部管理課課長代理の八嶋知佳子さんは話す。毎週月曜日には、肉や魚、乳製品も避ける完全菜食主義のビーガンの人に対応した「ベジ・メニュー」の提供も始めたという。

都庁の食堂として、東京のアピールも欠かさない。東京産の食材をメニューに取り入れるのはもちろん、食堂の中央の客席には多摩地域で生育・生産された多摩産材で作ったテーブル(天板のみ)やプランターを設置。食堂自体が、東京の産業を世界に発信する場にもなっているのだ。

かつて社員食堂と言えば、安さが最大のメリットといったイメージも強かった。だが、最近は町中のレストランを上回るような魅力的な社員食堂も見受けられる。オフィスを訪問して、食堂も楽しめる機会があれば、ぜひのぞかせてもらってはいかがだろう。

(GreenCreate)

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