
CMのターゲットについては、「ドコモは幅広い世代のお客様にご利用いただいておりますので、本シリーズも幅広い世代の方々に楽しんでいただきたいと考えています。特にリテラシーの高い層(若者など)をフックに、本シリーズが拡散していくような仕掛け作りをしていきたいと考えております」という。
新キャストは「幅広い世代に支持されている(その中でも特に若者から支持されている)、今後さらなる活躍が期待されている方たちを選びました」。キャストの年齢を見ると、浜辺は10代、新田は20代、星野は30代、長谷川は40代と、10~40代をバランスよく配しており、若者層に人気が高いフレッシュな顔ぶれの起用が目を引く。
実際、CM好感度調査の支持層を見ると、10~20代の若い女性の票が最も多く、次に男性20代が支持している。好感要因は「出演者・キャラクター」をトップに「ストーリー展開」「映像・画像」「かわいらしい」と続く。
CM総合研究所の関根心太郎代表は、新シリーズをこう分析。「キャストもみずみずしく、がらりと変わった感じがあります。会員基盤の強化という狙いとあわせて、有名から無名まで、いろいろなキャラクターが集まった街という設定は、多種多様な企業との協業で成長していく事業戦略のメッセージも込められているように感じられますね」
■「映画の始まりみたい」
関根代表は、クリエイターにも注目。「クリエイティブディレクターの佐藤雄介さんは、日清食品 カップヌードル『HUNGRY DAYS』で数々の広告賞を受賞し、デジタルとCMを融合した表現で注目されている方。今回もリアル(実写)、マペット、アニメーションを融合した映像で独自の世界を表現しています」
ドコモでも、「佐藤さんが今まで取り組まれたTVCMやウェブを組み合わせた多面的なプロモーション展開やクリエイティブ上の独特な世界観により、ドコモの思いを伝えられればと考えています」(横山氏)と、新たな感性に期待をかける。
舞台の設定が様々なキャラクターが集まる世界であったり、そこに登場するキャラクターが実物、マペット、アニメと様々な姿を持つなど、今までにない世界観のCMとあって、CM好感度調査モニターのコメントにも「ワクワクした」「映画の始まりみたい」「次にどうなるのか楽しみです」といった期待の高まりを感じさせる言葉が並ぶ。
CMとして視聴者を楽しませながら、企業の思いもしっかり伝えるという、エンタテインメント性とメッセージ性の両立が今後、どう表現されるのか。次の展開が楽しみだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
■当月オンエアCM:全2625銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある