学び上手の決め手は「後輩力」 失敗や変化を恐れるなリクルートワークス研究所主任研究員 辰巳哲子氏(5)

学び上手になるには、自分のスキルや人間関係、経験といった「資産」を棚卸しし、何が不足しているか知るのが大切です。それには普段接することのない人と出会い、自分の資産を客観的にとらえる視点を獲得する必要があるのです。意識を変えても、行動はなかなか変わりません。学びを習慣にするには、まず行動を変えてみる必要がありそうです。

しなやかな学習姿勢が「学び上手」への入り口

スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授は、学習する際の2つの心のあり方(マインドセット)を紹介しています。知性や能力について、努力で伸ばせると考える「しなやかマインドセット」と、固定的で変わらないと考える「こちこちマインドセット」です。

出所:「マインドセット『やればできる!』の研究」(キャロル・ドゥエック教授)、図は嶋村伸明氏の2017ATD-ICE参加報告から引用

しなやかマインドセットの人は、うまくいかないときやつまずいたときでも粘り強く頑張り、挫折や失敗から学び続けます。自分を向上させることに関心が高く、失敗を恐れずどんどん挑戦することができます。

一方、こちこちマインドセットの人は、周囲からの評価を気にします。他者から「才能がある」「優秀だ」と思われるために自分の能力を繰り返し証明しようとします。「無能な人間だ」と思われることを最も恐れており、失敗のリスクがあることに挑戦しません。挫折に対する耐性も弱いのです。

日本の高校までの学習は、こちこちマインドセットを強化するやり方だったように思います。大人の学びに必要なのはもちろん、しなやかマインドセットです。子ども時代の学びの姿勢が「こちこち」だった人は、ぜひ「しなやか」なマインドセットで大人の学びに取り組んでみてください。

=おわり

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