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日清の進化形カップ麺 スープと具を好みにアレンジ

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日経トレンディネット

安藤百福(あんどう ももふく)氏が1971年に世界で初めて発明し、国内外の販売実績はこれまでに400億食以上。熱湯さえあれば手軽に胃袋を満たしてくれる大衆の味。それが日清食品のカップヌードルだ。2018年10月3日、そのカップヌードルのプレミアム版「モモフクヌードル」が阪急うめだ本店で発売された。テーマは「未来のカップヌードル」。化学調味料を一切使用しておらず、2145通りの組み合わせのなかから好みの味にカスタマイズできるのが特徴だ。

店頭で3種類のスープと、ほうれん草、赤ピーマンなど10種類の色とりどりの「ヤサイコロ」のなかから、スープを1種類、ヤサイコロを4種類選ぶと、カップに投入して完全包装してくれる。

カスタマイズ方式を導入した理由について、同社マーケティング部兼第1グループブランドマネージャーの藤野誠部長は「これまで加工食品といえば大量生産が当たり前だったが、これからはよりカスタマイズされたものが登場してくる時代。生産者の顔が見えるところで手作り感を訴求することにより、加工食品の新しい形を伝えたかった」と話す。

阪急のオンリーワン戦略で初タッグ

即席麺最大手と百貨店という異色のコラボが実現したきっかけは、阪急サイドからの提案だった。同店は12年秋の建て替えオープン以降、グリコの高級ポッキー「バトンドール」やカルビーの新感覚ポテトチップス「グランカルビー」などの限定販売の「オンリーワン商材」を次々と開発。いずれも発売当初から話題を呼び、大ヒットを飛ばしてきた。

「オンリーワン商材として扱うのは、誰もが知っているブランド。すでに知られているブランドに、2社のフィルターをかけることで驚きと発見が生まれる。それを限定販売することで話題を呼び、購入するためにさらに行列ができる。このオンリーワン商材をカップヌードルで作りたいとお願いしたところ、二つ返事で受けてもらえた」(阪急阪神百貨店フード新規事業開発部ディビジョンマネージャーの馬場淳士氏)

日清食品にとっても、阪急うめだ本店に常設店を構えるのは願ってもないチャンスだった。インスタントラーメンは通常、スーパーマーケットやコンビニを主販路とするため、「(モモフクヌードルで)既存客とは異なる新たな客層の獲得を狙う」と、藤野部長は期待を寄せる。

実は、阪急百貨店と日清食品の取り組みは、今回が初めてではない。1958年に安藤百福氏がインスタントラーメン「チキンラーメン」の開発に成功し、試食販売会場として選んだのが阪急うめだ本店地下食品売り場なのだ。その後、チキンラーメンが世界食となったのは誰もが知るところ。60年の歳月を経て、今度はカップヌードルの概念を変える新商品が、同じ食品売り場に登場したというわけだ。

ターゲットは「カップヌードルを食べない女性と若者」

ターゲットは、百貨店に来店する20~30代のミレ二アル世代と40~50代の主婦層。この層はあまりカップ麺の消費量が多くないというが、「普段あまり食べない人たちにもぜひカップヌードルを食べてもらいたいが、単に『カップヌードルの高級版』を作っただけでは話題にならない」と藤野部長。

即席麺市場では袋麺が縮小傾向にある一方、カップ麺はここ数年、売り上げを伸ばしている。だが、健康意識が高く、加工食品に対してマイナスイメージを持つ百貨店の中心客層を取り込むには、加工食品の概念を変えるようなインパクトが必要だった。

「便利なだけでなく、食べることで楽しくなり、おなかも心も満足するようなカップ麺ができないか」(藤野部長)。そこで浮かんできたのが、加工食品とは真逆のイメージがある「ナチュラル」というテーマだった。

価格は強気だが「ギフトも狙う」

だが、野菜を使うだけではなく、実際の素材や食感にもナチュラル感がないと女性客を納得させるのは難しい。試行錯誤を重ねた結果、ナチュラル感を実現するために、スープは野菜のうま味が詰まった濃厚なスムージータイプを、麺には食物繊維入りの層を全粒粉入りの層ではさんだ3層仕込みのノンフライ麺を採用した。さらに、トッピング具材として、野菜ペーストなどをダイス状に加工した、色とりどりのヤサイコロを10種類作った。

スープも、スムージーを飲んだときのように口のなかで野菜の繊維質を感じられるよう、すりつぶしたままのざらっとした食感に仕上げている。そのため、かなりの量の粉末状スープが必要となり、従来のカップヌードルの専用ラインでは製造できなかった。そこで、スープはヤサイコロと同様に店頭で投入するか、別包装にして熱湯をそそぐ前に入れることにした。さらに、コクのある味わい深いスープに仕上がるよう、バルサミコ酢など後がけソースも付け加えた。

「おすすめセレクト」として販売されている「グリーン」「レッド」「イエロー」の3種類を試食したが、どれもスープがやさしくまろやかな味。フレッシュなトマトなど野菜の味をしっかり味わえるのもうれしい。スムージースープと平打ち麺は相性がよく、一滴も残さず飲み干してしまった。

価格は税込み540円。通常のカップヌードルの約3倍と強気の設定だが、たまにぜいたくをしたいときや、ちょっとした手土産にも使えそう。阪急うめだ本店のオンリーワン商材はもともとギフト需要を狙って開発された経緯もあり、「カップヌードルのギフト化に新たなビジネスの可能性を感じている」(藤野部長)という。

当面の間は阪急うめだ本店のみで販売する予定で、年間売上目標は4億円。販売数約80万食を目指す。折しも、安藤百福氏と妻の生涯を描いたドラマが放送中で、連日大勢の客が来店。新たなヒット商品として注目されている。

(ライター 橋長初代)

[日経トレンディネット 2018年10月19日付の記事を再構成]

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