日清の進化形カップ麺 スープと具を好みにアレンジ

日経トレンディネット

2018年10月3日、阪急うめだ本店地下総菜売り場にオープンした「モモフクヌードル」のショップ。カスタマイズしたい場合は、左側に並んで1人ずつ注文する。おすすめセレクトやギフトセットは右側のレジで購入できる。なお、店頭で湯は提供しない

ターゲットは「カップヌードルを食べない女性と若者」

ターゲットは、百貨店に来店する20~30代のミレ二アル世代と40~50代の主婦層。この層はあまりカップ麺の消費量が多くないというが、「普段あまり食べない人たちにもぜひカップヌードルを食べてもらいたいが、単に『カップヌードルの高級版』を作っただけでは話題にならない」と藤野部長。

即席麺市場では袋麺が縮小傾向にある一方、カップ麺はここ数年、売り上げを伸ばしている。だが、健康意識が高く、加工食品に対してマイナスイメージを持つ百貨店の中心客層を取り込むには、加工食品の概念を変えるようなインパクトが必要だった。

「便利なだけでなく、食べることで楽しくなり、おなかも心も満足するようなカップ麺ができないか」(藤野部長)。そこで浮かんできたのが、加工食品とは真逆のイメージがある「ナチュラル」というテーマだった。

価格は強気だが「ギフトも狙う」

だが、野菜を使うだけではなく、実際の素材や食感にもナチュラル感がないと女性客を納得させるのは難しい。試行錯誤を重ねた結果、ナチュラル感を実現するために、スープは野菜のうま味が詰まった濃厚なスムージータイプを、麺には食物繊維入りの層を全粒粉入りの層ではさんだ3層仕込みのノンフライ麺を採用した。さらに、トッピング具材として、野菜ペーストなどをダイス状に加工した、色とりどりのヤサイコロを10種類作った。

ミレニアル世代と主婦層を狙い、パッケージもナチュラルでおしゃれなデザインに
ほうれん草とブロッコリーのグリーンスムージースープの「グリーン」(税込み540円)はバジルペースト付き。おすすめセレクトには、ほうれん草、えだまめ、かぼちゃ、にんじんのヤサイコロが6粒ずつ入っている。バジルパスタのような味を楽しめる

スープも、スムージーを飲んだときのように口のなかで野菜の繊維質を感じられるよう、すりつぶしたままのざらっとした食感に仕上げている。そのため、かなりの量の粉末状スープが必要となり、従来のカップヌードルの専用ラインでは製造できなかった。そこで、スープはヤサイコロと同様に店頭で投入するか、別包装にして熱湯をそそぐ前に入れることにした。さらに、コクのある味わい深いスープに仕上がるよう、バルサミコ酢など後がけソースも付け加えた。

「おすすめセレクト」として販売されている「グリーン」「レッド」「イエロー」の3種類を試食したが、どれもスープがやさしくまろやかな味。フレッシュなトマトなど野菜の味をしっかり味わえるのもうれしい。スムージースープと平打ち麺は相性がよく、一滴も残さず飲み干してしまった。

「レッド」(税込み540円)はトマトと赤パプリカのイタリアンレッドスムージースープでバルサミコ酢ソース付き。トマト、赤ピーマン、かぼちゃ、アボカド(おすすめセレクト)のヤサイコロが入っていて、その彩りにより食欲をそそられる
にんじんとココナッツミルクのエスニックカレーイエロースムージースープに、トムヤムペーストが付いた「イエロー」(税込み540円)。ヤサイコロはにんじん、とうもろこし、じゃがいも、ビーツ(おすすめセレクト)の4種類

価格は税込み540円。通常のカップヌードルの約3倍と強気の設定だが、たまにぜいたくをしたいときや、ちょっとした手土産にも使えそう。阪急うめだ本店のオンリーワン商材はもともとギフト需要を狙って開発された経緯もあり、「カップヌードルのギフト化に新たなビジネスの可能性を感じている」(藤野部長)という。

当面の間は阪急うめだ本店のみで販売する予定で、年間売上目標は4億円。販売数約80万食を目指す。折しも、安藤百福氏と妻の生涯を描いたドラマが放送中で、連日大勢の客が来店。新たなヒット商品として注目されている。

各1食ずつを専用ボックスに詰めた3色セットも用意。ギフトや手土産として人気を集めそう。税込み1836円(箱代含む)

(ライター 橋長初代)

[日経トレンディネット 2018年10月19日付の記事を再構成]

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