悪霊ハンターの兄弟 海外ドラマレンタル上位に長寿作
2018年9月 海外ドラマ月間レンタルランキング
生き残ることが厳しい米国テレビドラマ界で14シーズンも続いている長寿シリーズが『SUPERNATURAL』(スーパーナチュラル)。日本でも高い人気を保っており、DVD最新作の『SUPERNATURAL XIII<サーティーン・シーズン>』がTSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキング9月度の4位に入った。
『SUPERNATURAL』は、悪魔や怪物といった邪悪な超常現象と闘う悪霊ハンター、ディーンとサムのウィンチェスター兄弟の旅を描くアクションシリーズ。全米では2005年からWBで放送がスタート。その後、The CWに引き継がれ、今年10月からシーズン14がスタートしている。
物語は、ウィンチェスター兄弟の母親が黄色い目の悪魔に殺されたところから始まった。その敵を討つために、長年ハンターとして悪霊と戦い続けてきた父親も悪魔によって亡くなり、兄弟は全米各地を旅して怪事件を解決しながら、自分たちの過去を解き明かしていくというストーリーだ。
主役の兄弟を演じるジェンセン・アクレスとジャレッド・パダレッキがイケメン俳優としてブレイク。お互いのために犠牲を払う兄弟の絆が感動を呼ぶのに加え、シーズンごとに天国や地獄といった壮大なテーマが展開して、ホラーと家族ドラマの要素がミックスされているのが人気の理由。シリーズを通してメインキャラクターは兄弟の2人と登場人物が少ないのも特徴で、そこに天使や悪魔といった強烈な個性を持つキャラクターが加わり、それぞれがファンの心をつかんでいる。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は、本作の人気をこうみている。「現在進行中の作品の中では『グレイズ・アナトミー』『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪』と並ぶ長寿シリーズで、DVD最新作となるシーズン13を迎えた今もなおダントツの人気ぶり。視聴者は6割が男性で、『最もファンに愛されている作品』として有名です」
27位には『SUPERNATURAL 最恐ホラー13選』もランクイン。番組のプロデューサーたちが選んだ最も恐いエピソード13話を日本限定でリリースした傑作選で、ファンが楽しめるのはもちろん、ドラマを見たことのない人には格好の入門編となる。
「本作はホラー作品なので、不吉な数字13にあやかって、シーズン13を記念した傑作選が同じ日にリリースされました。借りた方の多くが、途中でやめていたシリーズの視聴を再開したり、過去のシーズンをご覧になるきっかけとなっているようです。日本独自のマーケティングも功を奏しています」(中山氏)
■1位は圧倒的人気『ウォーキング・デッド』
ランキング全体を見ると、1位は初登場の『ウォーキング・デッド』のシーズン8。ゾンビがはこびる世界で、生き残った人間たちの抗争を描くサバイバルアクション。『ウォーキング・デッド』はほかにも4作がランクイン。特に初期のシーズン1~3が入っていることから、今も新たなファンを次々と取り込んでいることがわかる。「まさに『海外ドラマ・キング』というにふさわしい圧倒的な人気です」と中山氏も驚く強さだ。
全米では、この10月からシーズン9の放送がスタート。主人公の元保安官リック役を演じてきたアンドリュー・リンカーンが今シーズンで降板することが発表されており、シリーズとして大きな転換点を迎える。新たな人気長寿シリーズとして、どこまでシーズンの更新を伸ばすのか。こちらも、ファンには気になるところだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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