景気悪化の先行指標は? 米中の製造業指数など確認

「景気が悪くなるときの先行指標を教えてください」(福岡県、30代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

日本は輸出企業が多く、世界経済に左右されやすい特性があります。そのため「世界の経済指標を見て景気の基調を確認することが大事」(大和総研の長内智氏)になります。

市場参加者が注目する指標の1つに製造業購買担当者景気指数(PMI)があります。製造業の購買担当者に新規受注や生産の動向などについて聞き取った結果を指数化したものです。毎月、月の初めに発表されることが多く、国内総生産(GDP)に比べて速報性があり、景気の先行きを占う指標として有効です。

注目すべきは米国と中国の指標です。米国では米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する製造業景況感指数がこれにあたります。50が好不況の分岐点となり、50を上回れば「拡大」、下回れば「縮小」を示します。9月のISM製造業景況感指数は59.8、中国国家統計局が発表した同月のPMIは50.8でした。

世界の輸出と生産の動向を確認するのも欠かせません。オランダ経済政策分析局が毎月発表する世界貿易モニターで、世界の貿易状況を知ることができます。米中貿易戦争が激化する中、足元では貿易量の伸びが一服しています。世界景気の先行きを測るには、経済協力開発機構(OECD)が毎月発表する景気先行指数も有効です。

一方、長内氏は危機の予兆をつかむには「資産価格も見るべきだ」と言います。2008年のリーマン・ショックをはじめ、住宅価格の崩壊から大きな金融危機が起きた歴史があるからです。S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数など代表的な指数に注意が必要でしょう。

[日経ヴェリタス2018年10月28日付]

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