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民間介護保険に新顔 リハビリ費用、要支援2から給付

2018/10/30

写真はイメージ=PIXTA

公的介護保険の上乗せとして、民間の生命保険会社が要介護になると保険金が出る商品を扱っていると聞きました。どんな仕組みなのですか。

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朝日生命保険は2日、業界で初めて「要支援2」でも保険金が出る「要支援保険」を発売した。要支援2は立ち上がりや歩行などが不安定でときどき介助が必要とされる状態。しかし厚生労働省によると、4人に1人が1年以内にさらに症状が重い「要介護1」以上になっている。

同社は「重症化を防ぐためのリハビリテーション費用などに保険金を充てられる」(商品開発部)としており、年間1万6000件の契約目標を掲げた。保険金給付は一時金方式で、50万円くらいの契約が中心とみられる。

公的介護保険の認定は要支援1~2、要介護1~5の7段階の順に症状が重くなる。民間の介護保険もこれに連動しているものが多い。最近はより症状が軽い段階から保険金を出す商品が増えているが、その分だけ万が一に備えるという保険機能は薄れる。

例えば、一時金50万円の要支援保険(終身タイプ)の保険料は50歳男性で月1604円。仮に75歳で要支援2以上になると、それまで25年間の累計保険料は48万1200円にのぼり、貯蓄で備えるのと結果的にあまり変わらなくなる。

保険金が一時金か年金かも商品性を大きく左右する。第一生命保険の「介護年金保険」は、食事や排せつに何らかの介助を必要とすることがある要介護2以上になると、生存中はずっと年金が給付される。

保険料は50歳男性の年金60万円の契約で月7187円。仮に75歳で要介護2以上になると、単純計算では4年分の年金240万円を受け取れば累計保険料を上回る。要介護2以上にならずに死亡すると1年分の年金が給付されるが保険料の大部分は掛け捨てになる。

一方、銀行窓口で販売している太陽生命保険の「My介護Best」は早期解約しなければ保険料を上回る給付があり、掛け捨てにはならない。要介護2以上で出る終身年金は契約者が亡くなった場合も20年分が保証されており、遺族が受け取れるからだ。

50歳男性、年金30万円の場合、契約時に保険料576万1070円を一括払いして5年後に解約しても596万4600円が戻る。貯蓄性の年金保険としての性格が強い商品といえる。

厚労省によると、80~84歳の男性のおおむね6人に1人、女性の4人に1人が公的介護保険の受給者だ。一般に発生率の大きいリスクに備える保険は保険料が高くなりがち。民間介護保険は商品性をよく理解したうえで、貯蓄も選択肢に入れて慎重に検討したい。

[日本経済新聞朝刊2018年10月27日付]

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