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地震保険料、19年1月3.8%上げ 長期契約で負担減 21年にもアップ

2018/11/3

写真はイメージ=PIXTA

地震保険の保険料が2019年1月から改定されます。東日本大震災をはじめ大規模地震が相次いだため政府と損害保険業界は3回に分けて平均保険料を引き上げる計画で、今回は2回目にあたります。個人が保険料負担を減らすには、数年単位の長期の契約が選択肢となります。

地震保険は地震と噴火、津波による被害を補償するため1966年にできた制度で、国と民間の保険会社が共同で運営しています。地震による火災被害などは規模が甚大になる恐れがあり一般の火災保険では対象外です。

■建物5000万円、家財1000万円が契約の上限

地震保険の保険料や補償内容はどの保険会社でも同じで、火災保険とセットで加入するのが基本です。火災保険の契約保険金額に対して30~50%の範囲内で契約します。建物で5000万円、家財で1000万円が契約上の上限となります。

被災時の損害の程度は4つあり、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」です。例えば、建物の損害額が時価の50%以上に相当すれば全損とみなされ、契約金額の100%の保険金が支払われます。

保険料は地震発生の危険度などを踏まえ、都道府県別に計算されています。19年1月の改定で保険料が上がるのは徳島、高知、茨城、埼玉、東京など35の都県です。愛知県や大阪府など下がる地域もありますが、全国平均では3.8%の引き上げとなります。3回目の改定は21年になる見通しでやはり全国平均で引き上げとなります。

ファイナンシャルプランナー(FP)の竹下さくらさんは「被災時の影響は計り知れず家を持つ人は積極的に加入を考えたい」と話します。特に来年から保険料が上がる地域に住む人は「今年中に長期の契約を結んで負担をやわらげたい」と助言します。

地震保険は1年ごとの契約のほか2年、3年、4年、5年という長期契約が可能です。例えば5年契約で一括払いの保険料は、1年ごとに更新するケースに比べて現行11%軽くなります。この軽減率も保険料と併せて改定となり、来年から8%となります。

東京都の木造住宅を例に、1000万円の地震保険金をかけているという前提で試算しました(図)。まず18年、19年、20年と1年ずつ契約を更新したときの保険料は合計で約11万4000円です。これに対して、今年中に3年契約を結んだ場合は10万円弱で済み、1年ごとの更新よりも13%安くなります。19年に3年契約を結ぶ場合は約10万9000円です。ただし、保険料が引き下げられる地域でみると、年内よりも19年に3年契約を結んだほうが得になります。

■耐震性能に応じた割引制度も

このほか地震保険には建物の耐震性能に応じた割引制度があります。重複適用はできませんが、例えば1981年6月以降に建築された物件は10%、免震対応の建物は50%安くなります。詳細は日本損害保険協会のウェブサイト内「家族の地震保険 特設サイト」で確認できます。

地震保険の加入率は上昇傾向にあります。17年末は全世帯の31%と、10年前に比べると10ポイント高くなっています。すでに火災保険に入っている人も、途中から地震保険を追加で契約できます。料金改定を節目に、保険代理店などで相談するのもよいでしょう。

[日本経済新聞朝刊2018年10月27日付]

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