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栄養を逃さない食品保存術 冷蔵・冷凍・解凍の鉄則は

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

食品を保存するのに、ただ冷蔵庫や冷凍庫に入れるだけではダメ。同じ食材でも保存法、調理法次第でおいしさも栄養価も大きく変わる。栄養を120%とる正しい保存法と調理法を、食のプロに伝授してもらいました。

栄養を無駄にしない食品の保存法

忙しいと、つい食材を買いだめしてしまうもの。冷蔵庫に入れておけば大丈夫、と思うかもしれないが、間違った保存方法では早く鮮度が落ち、ビタミンなどの栄養が減ってしまう。冷蔵保存する際は、紙などで包み、野菜の呼吸、成長を止めて劣化を抑えるのがポイントだ。

「肉、魚、野菜のどの食材の場合も、すぐに使わない場合は早めに冷凍してしまったほうがいい」というのは食品の冷凍による変化に詳しい東京工科大学の梶原一人教授。食材の劣化は温度と時間に関係する。「冷凍すれば、ほぼ冷凍した時点の栄養と味をキープできる」という。さらに「正しく解凍すれば、食感も、生の食材を調理した場合と大差は生じない」と同大学の阿部周司助教。正しい保存法さえ実践すれば食品の劣化を食い止められるというわけだ。

栄養を余すことなくとるには、食材の切り方や調理法も大事。栄養の詰まった皮やワタを捨てずに「丸ごと」使う、緑黄色野菜は栄養吸収を高めるために「油ととる」などの「基本の食べ方」を覚えておきたい。

栄養を無駄にしない食品の保存法を詳しく紹介していこう。

冷凍しても、野菜のビタミンC量は変わらない



 14種類の食材を-24℃で冷凍保存し、1カ月ごとにカロテノイド、ビタミンなどの含量を測定した。カロテノイドはサツマイモなどで、ビタミンCは春菊、グリンピースで減少が見られたが、多くの野菜で栄養の損失は見られなかった。下はビタミンC量を表にしたもの。


【冷蔵保存テク】栄養損失を抑え、うまみを増やす

包んで守る保存で栄養成分の減少を抑える

食品を冷蔵することで日持ちしやすくなるのは、低温環境では雑菌などの活動が緩やかになるからだ。だが、「野菜は、ただ冷蔵庫に入れておくだけではダメ。乾燥などを防ぎ、野菜に快適な環境を作るため、紙などで包んでポリ袋に入れた上で、種類ごとに適した場所で保存する。そうすることで鮮度や栄養を長く維持できる」と管理栄養士の弥冨秀江さん。

「ベターホームのお料理教室」で講師を務める越川藤乃さんは、「野菜を保存するには湿度と温度がポイント」と話す。「野菜によって、適した温度帯が異なるが、冷蔵庫の野菜室(5~7℃)での保存が向いているものが多い」と話す。

【包んで守るためのヒント】

ヒント 1 生長点をカットして、栄養の消費を防ぐ
 生長点とは、葉や茎の先、芯など、野菜が活発に細胞分裂を繰り返している部位のこと。細胞分裂が進むほど栄養や水分を消費してしまうので、生長点を切って保存するほうがいい。

ヒント 2 乾燥、腐敗の原因となる光、温度、湿気を避ける
 直射日光が当たる場所や温度や湿度が高い所は、雑菌が繁殖しやすい。腐敗を避け、野菜に快適な環境を作るよう、紙とポリ袋で包んで冷蔵庫の野菜室か冷暗所で保存しよう。

ヒント 3 「呼吸」を妨げてビタミンCをキープ
 野菜は収穫後も生きており、「呼吸でビタミンCや糖分を消費してしまう」と弥冨さん。紙などで包んで適度に呼吸を妨げることで栄養やおいしさをキープできるという。

【野菜の冷蔵法】

ニンジン、大根、カブは葉の部分を切り落とす

「葉があるほうが長持ちする」と思いがちだがそれは間違い。ニンジンや大根、カブの葉は生長点に当たり、放っておくと伸びて栄養を消費してしまう。切り落として保存すること。ただし、葉の部分も栄養たっぷり。捨てずに食べるといい。

残った野菜は切断面をラップで密閉。呼吸を止める

「丸ごと1つを使いきらない場合は切断面をラップでぴったり覆い、野菜が呼吸しにくい状態にしてからビニール袋に入れて野菜室へ」(弥冨さん)。常温保存に向く野菜も、使いかけのものは冷蔵保存すること。

キャベツは芯をくり抜き、濡れティッシュを詰めて保存

「キャベツの生長点は芯の部分。芯をくり抜いて濡れティッシュを詰めてから『包んで守る』保存を。このひと手間でシャキシャキ感が長持ちする」(弥冨さん)。半分に切ってある場合も、芯の部分に同様に処理をしてから切り口をぴったりラップして。

野菜は育った状態を好む。「立てて保存」がベスト

「上に向かって成長するホウレン草や大根、長ネギ、枝やつるにぶら下がってできるキュウリやインゲンなどは、育った状態に近い『立てて保存』がコツ。寝かせて保存すると、起き上がろうとしてエネルギーを使い、栄養分も失われてしまう」(越川さん)。

カボチャはカビやすい種とワタを取って保存

「カットされたカボチャやゴーヤは種とワタの部分からカビやすい」(弥冨さん)。買ってきてすぐ調理しない場合は、そのまま保存するのではなく、種とワタを取り除いてからラップで覆い、ビニール袋に入れて冷蔵保存すること。

葉もの野菜の専用ビニール袋は「そのまま使う」が正解 !

"裸"のホウレン草や小松菜は根元を水につけてから表面の水気を取って、包んで立てて保存するといいが、専用のビニール袋に入ったものは別。「専用袋には、野菜から出るエチレンガスを排出し、劣化を防ぐ機能が備わっている。そのまま野菜室へしまって大丈夫」(弥冨さん)。

【冷凍・解凍テク】食材の栄養をそのままキープ

細胞を守って栄養・おいしさをキープ

肉や魚介類はもちろん、野菜の多くは冷凍保存できる。ただし、「冷凍すると細胞内の水分が結晶化して膨れ、細胞が壊れるため、解凍時に水分と一緒に栄養成分も流出してしまう」(梶原教授)。そのため、冷凍前に「加熱する」「塩を振る」などして食材中の水分を減らし、できるだけ細胞が壊れないようにするのが栄養を逃さないポイントだ。さらに、「乾燥とニオイ移り防止のためラップで密閉し、ジッパー付き保存袋に入れて空気を抜くこと。冷凍の目安は長くても1カ月程度」と越川さん。

解凍後は、加熱調理するのがお薦め。「冷凍した食材は短時間で味がしみこみやすく、調理時間を短縮できるというメリットも」(梶原教授)。

【野菜の冷凍法】

栄養はそのままでうまみアップ!調理時間の短縮にも

そのまま冷凍できるもの、加熱してから冷凍するほうがいいものがある。レタスなど、加熱せずに食べたい野菜は冷凍に不向き。

【生のまま冷凍】香りや辛みのあるものに向く

<適する野菜>トマト、キノコ、ニラ、ネギなど

 生のまま冷凍しても、解凍して冷凍前と同じ状態に戻るわけではない。繊維が壊れて柔らかくなり、生食には向かないので、加熱調理に使うのがお薦め。トマトやニラはスープや炒め物、 ネギやショウガなどは味噌汁の薬味、餃子の具に向く。


香味野菜は刻んで冷凍 血液サラサラ効果もアップ



 ニンニクやネギ、ニラ、ショウガなどの香味野菜は、新鮮なうちに刻んで冷凍しておくといつでも薬味として使える。ニンニクやネギに含まれる血液サラサラ成分や、ショウガの温め成分は、冷凍しても減りにくい。

トマト、キノコは冷凍でうまみアップ



 「トマトやキノコは冷凍で細胞組織が壊れるとうまみが強くなる」(越川さん)。キノコは石づきを取り、洗わず適当な大きさにカットして。トマトはヘタを取り、よく洗って冷凍する。丸ごと冷凍したものは水に数秒つけるだけでツルッと皮がむけ、湯むき不要。

大根おろしも冷凍OK 消化を助ける機能もキープ



 大根おろしに多く含まれ、消化を助ける働きのあるジアスターゼという酵素は、熱には弱いが冷凍しても壊れない。「汁ごと食品保存容器やジッパー付き保存袋に入れて冷凍しておくと使いやすい」(弥冨さん)。

レモンや柚子は皮と果汁に分けて冷凍



 「料理の香りづけ、アクセントに使うことが多いレモンや柚子は、皮をむいて冷凍しておくといい。果肉は搾って果汁にし、食品保存容器や製氷器に入れて冷凍しておけば、欲しいときにすぐ使えて便利」(越川さん)。

【加熱して冷凍】歯ごたえのある野菜に向く

<適する野菜>キャベツ、白菜、ブロッコリー、アスパラなど

 歯ごたえのある野菜は、軽く加熱して水分を飛ばしてから冷凍することで、食感が保てるため、サラダやあえ物にも使える。白菜なら、軟らかい葉先は生で食べ、根元の白い部分は加熱して冷凍してしまうのがお薦め。

<point!>ブロッコリー、カリフラワーは冷まして水気を拭き取る

 ブロッコリーとカリフラワーの花蕾部分には湯が残りやすく、放っておくとその熱でビタミンCがどんどん減ってしまう。「加熱後、サッと冷水をかけてから水気をよく拭き取って」(弥冨さん)。

常温保存が向く野菜も



夏野菜は冷気が苦手 果物も常温で保存

 ナス、トマト、キュウリなどの夏野菜は冷気が苦手。「冷蔵保存すると、皮が硬くなったりしぼんでしまい、ビタミン、ミネラルなどの栄養が減る低温障害が起きるので冷暗所での常温保存を。ただし、室温が高くなる夏場や切ったものは野菜室に」(越川さん)。

キノコは日光浴でビタミンDが増える 一度干してから常温保存

 「シイタケやシメジなどのキノコに含まれるエルゴステロールという成分は、天日干しにすることでビタミンDに変わる」(弥冨さん)。すぐ使うときは30分~数時間、保存用にするなら1、2日干して、冷暗所で常温保存する。

【肉・魚の冷凍法】

鮮度も栄養成分も急速冷凍でぎゅっと閉じ込める

魚は種類によって冷凍に向くもの、向かないものがある。「例えば、タラは冷凍・解凍によるダメージを受けやすく、冷凍保存には不向き」(阿部助教)。

【下味をつけて冷凍】水分を減らして細胞破壊を防ぐ

「表面に塩を振るなどして、浸透圧の作用で食材内の水分量を減らすことで、冷凍による細胞の破壊が抑えられる。解凍時の水分流出(ドリップ)が減り、栄養やうまみを維持できる」(梶原教授)。

<手順>
 冷凍する肉や魚の両面に軽く塩を振り、5分ほどおいてキッチンペーパーでしっかり水気を取る。ラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れる。空気を抜いて冷凍庫へ。
<point>
 解凍後の調理法が決まっているなら、レシピに合わせて醤油やオイルで下味を。そのまま調理できて便利。
【氷水にくぐらせて冷凍】氷の膜で栄養とうまみを閉じ込める

下味をつけたくない食材や大きな塊肉などは、氷水にくぐらせてから冷凍するといい。「表面が氷の膜で覆われることで、冷凍中の酸化や乾燥を防げる」(弥冨さん)。

<手順>
1 ボウルに氷水を入れ、冷凍する肉や魚をさっと浸す。
2 そのままラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れる。空気を抜いて冷凍庫へ。

【栄養・鮮度を保つ「急速冷凍」】細胞ダメージを最小限に!

食材の鮮度や栄養を流出させる細胞ダメージを抑えるには、できるだけ速く凍らせることもカギとなる。急速冷凍モードのついた冷凍庫がなくても、身近なものを使って冷凍スピードは上げられる。

◎金属製のトレーを使って急速冷凍
 金属製のトレーは熱伝導率が高く、食材を急速冷凍するのに向く。早く凍らせるにはできるだけ薄くトレーに広げて冷凍庫に。トレーは100円均一ショップでも購入可能。

◎保冷剤を使って急速冷凍
 金属製のトレーがない、もっと早く冷凍したいというときには、食材を覆うように保冷剤をのせるといい。保冷剤がない場合は、凍ったほかの食材をのせてもOK。

【野菜、肉・魚の解凍法】

ドリップを出さない温度調節がカギ

常温での解凍は、中が溶けるまでに表面の温度が上がり雑菌が繁殖しやすいため、高温で解凍するか、菌が活動しにくい低温で解凍する。

【加熱解凍】「凍ったまま調理」で栄養を閉じ込める

 解凍と調理を兼ねるこの方法。「凍ったまま加熱するとドリップが出にくく、栄養やうまみの流出を防げる」(梶原教授)。分厚い肉を焼くときは火加減を調節して中まで火を通そう。

<手順>
食材を凍ったまま鍋やフライパンに入れ、調理する。焼く、煮る、ゆでるはもちろん、電子レンジでの加熱調理も可能。
【氷水解凍】刺身など、素早く生の状態に戻したいものに

 氷水の温度は冷蔵庫内と同じ3~5℃かそれ以下になるが、「水は空気よりも熱伝導率が高いため、早く解凍できる」(阿部助教)。厚さ約1cmの牛ステーキ肉で、1枚50~60分で解凍できる。

<手順>
深めのバットやボウルに氷水を張り、冷凍した食材を、水が入らないように保存袋ごとつける。ときどき裏返したり、揺らしたりするとより早く解凍できる。
梶原一人さん
 東京工科大学 応用生物学部高機能性食品研究室教授。専門は機能性食品、生物保存など。科学的知見に基づく食品開発をサポートすべく、食品に関する様々な研究を手がけ、生体関連物質の凍結保存やガラス化保存に関する研究も行う。
阿部周司さん
 東京工科大学 応用生物学部高機能性食品研究室助教。専門は食品加工、水産練り製品、解凍。東京海洋大学海洋科学技術研究科応用生命科学専攻博士後期課程修了。東京海洋大学海洋科学系博士研究員、丸カ朝倉商店研究員を経て現職。
越川藤乃さん
 ベターホーム協会。全国17カ所で開催する「ベターホームのお料理教室」で20年以上講師を務める。料理の基本から、魚のおろし方などを幅広く指導する。
弥冨秀江さん
 ヘルスイノベーション。管理栄養士、産業栄養指導者、女子栄養大学生涯学習講師。豊富な臨床経験に基づき、病院で栄養指導するほか講演や執筆活動、企業の食品開発やメニュー開発にも携わる。

(ライター 茅島奈緒深、写真 鈴木正美、構成 堀田恵美=日経ヘルス編集部)

[日経ヘルス 2018年10月号の記事を再構成]

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