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すしに合う! オーストリアワインはおとなしさが魅力

2018/11/1

東京・銀座の「銀座 壮石」ではすしにオーストリアワインを合わせて提供する 果たしてこの煮アナゴに合うのは?

1985年、ある事件が世界のワイン界に衝撃を与えた。オーストリアのワインに不凍液などに使われる有毒の液体、ジエチレングリコールが混入されていたのだ。一部の業者が、糖度が低いワインに薬品を添加して甘さやボディーのあるワインに「変身」させていたのだという。この「ワインスキャンダル」により、同国のワインの輸出は一時、ほぼゼロにまで落ち込んだ。

それから今や30余年。事件をきっかけに、オーストリアワインは、ヨーロッパでも特に厳しいワイン法のもとに造られるようになった。自然派ワインの造り手も多く、有機耕作をする畑の面積は、全耕作面積に対する割合では世界トップだという。

「当時とは造り手も世代交代し、海外でワイン造りを学んだ勉強熱心な若手がどんどん改革を推進。80年代、90年代はバルク売りの安ワインが中心でしたが、最近は高価な上質ワインで知られるようになっています」。こう説明するのは、東京・銀座で江戸前すしと会席料理の店「銀座 壮石」を運営する西谷の社長で、ソムリエの岡田壮右さんだ。特に白ワインが有名で、「アメリカのワインダイニングなどでも、まずワインリストにある」(同)ほど。

タコの桜煮やかんぴょう巻などと合うと言うザンクト・ラウレントという地場品種を使った赤ワイン

「銀座 壮石」は、岡田さんが店の料理とワインとのマリアージュをテーマに2010年にオープンした店だ。「酸味が強いワインは酢飯を使うすしには合いにくいとか、生臭さを感じるのではないかと思っている人も多いのですが、案外合わせやすいんですよ」。開店に向けすしをはじめとする料理に合うワインを探す中、出合ったのがオーストリアのワインだったと言う。

同国は西部から中央部にかけてアルプス山脈が走っているため、ワインの産地は首都ウィーンを含めた東部に限られる。その緯度は最も高価なワインを生産する産地の一つである、フランス・ブルゴーニュと同じで気候に恵まれている。「家族経営の生産者が多いところもブルゴーニュに似ています。でも、ほとんど白はシャルドネ、赤はピノノワール(いずれもブドウの品種)から造られる同地方のワインとは異なり、オーストリアのクオリティーワインは36種類のブドウから造られる。しかも、リースリングといった国際品種だけでなく、地場品種も17種と豊富。選択肢が広いんです」(岡田さん)。

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