なぜ埋めた、バイキング船を地中で発見 ノルウェー

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/11/5

船はどこからやって来たのか? バイキング時代のどこかで、オスロ近くのフィヨルドから船を地上に引き揚げ、現在の地まで運んだと考えられている。パーシェ氏によれば、「このような船が棺として使われたのです。王や女王、または地元の有力者が埋葬されていたのでしょう」と話す。つまり地中の船は、権力者の埋葬の場所として使われたのだ。

埋葬されたのは1人だけではない。約30メートル四方の場所からは、埋葬塚の形跡が8つは見つかっている。地中からは、3つの大きな共同住宅と、もう少し小さい6つの建造物も見つかっている。大きなものは、長さ45メートルほどにもなる。

考古学者たちは、今後の発掘で塚や共同住宅の年代を特定したいと考えている。というのも、これらは異なる時代に作られた可能性があるからだ。「構造物と船が同じ時代のものかどうかは、よくわかりません」とパーシェ氏は言う。

パーシェ氏らは、2019年春にさらに綿密な調査を行う予定だ。磁力計による調査に加え、できれば試掘して船の状態を確認したいとも考えている。船体に使われた木が残されていれば、厳密な年代測定もできるかもしれない。

ノルウェーの考古学者たちは、全地形対応車に地中探査レーダーを取りつけて農地の地下を調査し、バイキング船や共同住宅を発見した(PHOTOGRAPH BY ERICH NAU, NIKU)

ただ「王の財宝」が見つかる可能性は低そうだ。塚はとても目立つので、バイキング時代の埋葬物は、19世紀に農業開発が行われる何世紀も前に盗掘にあっているからだ。それでも文化歴史博物館の考古学者であるビル氏は財宝よりも船に期待を寄せる。「船が無傷かどうか、とても楽しみです。もしそうなら、大きな発見をもたらしてくれることでしょう」

(文 ANDREW CURRY、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年10月18日付]

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