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ビジネス書・今週の平台

ほぼ日・糸井重里社長の経営とは? 濃密な対話で探る 青山ブックセンター本店

2018/10/26

入り口近くの新刊書を置く平台に平積みする(青山ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れている準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。丸の内、大手町などの東京東側の中心ビジネス街の書店から西側のここを訪れると、いつも売れ筋の顔ぶれの違いに驚く。そんな中、目立った初速を示していたのは、コピーライターで、東証ジャスダック上場のほぼ日の社長を務める糸井重里氏の経営に対する考え方を対話から引き出した経営書だった。

■「驚きと発見の連続」と聞き手

その本は川島蓉子・糸井重里『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP社)。伊藤忠ファッションシステム取締役でジャーナリストでもある川島氏が聞き手となり、ほぼ日社長の糸井氏に事業、人、組織、上場、社長について語ってもらった内容だ。「インタビューは驚きと発見の連続だった」と川島氏は書く。

伊藤忠ファッションシステムに入社し35年目で転職の経験もない川島氏。「組織人であり、日本企業の価値観が骨の髄までしみこんでいる」という。そんな「常識」をぶつけながら、糸井氏の経営者としての考えを引き出していく。一言で簡単に言うのではなく、ゆったりとした速度でつむぐ糸井氏の経営をめぐる思考が印象的な本だ。

川島氏はまず事業のすすめ方を聞く。「ウチのプロジェクトは、誰かが『これをやりたい』と思ったときに、もう発生しています」と糸井氏。「そして隣の席の人に『こういうの、どう?』と聞いて、『私は好きです』となったら、さらに進んでいきます」。日常会話のようにきわめてシンプル。メンバーもそれぞれが社内に声をかけて集まっていき、企画書や会議はない。他社の商品の研究や顧客調査もせず、話をしながらアイデアそのものを掘り下げていったり広げたりする。こんなふうに糸井氏は語っていく。

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