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ヒットを狙え

25年保存の非常食 デザイン変更でおいしさアピール

日経クロストレンド

2018/11/11

18年6月より販売しているサバイバルフーズ(国内製造)。小さい缶は2.5食分相当。大きな缶は10食分相当。左から、「洋風えび雑炊」「チキンシチュー」「クラッカー」「洋風とり雑炊」「野菜シチュー」
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「サバイバルフーズ」は、25年間という超長期保存が可能な備蓄食だ。シチューや雑炊はフリーズドライ食品で、お湯だけでなく水でも戻すことができ、乾燥した状態のままでも食べられる。これまでの累計販売数は、3000万食以上。家庭をはじめ、全国1000以上の官公庁や自治体、病院、企業などが備蓄食として採用しているという。

販売元は、東京に本社を構えるセイエンタプライズ。同社は1978年より米国企業から商品を輸入し、サバイバルフーズと名付けて販売。日本で長期保存食の市場を切り開いてきた。「日本の備蓄食は日本の技術で」という考えの下、フリーズドライ技術を持つ永谷園と共同で商品開発を開始。その後、米国企業との代理店契約を解消し、2018年6月1日から国内製造によるサバイバルフーズの販売を開始した。

1978年の発売以来、サバイバルフーズのパッケージデザインは数回変更してきた。大きく転換したのは、2008年。セイエンタプライズの平井雅也代表取締役はブランドの再構築を目指し、GRAPHの北川一成氏に相談。ロゴやパッケージデザインを一新した。

サバイバルフーズの魅力は、25年の超長期保存という機能性とおいしさを両立させていることだ。災害時でも日常と変わらない、おいしくて栄養バランスも良い食事ができるというところが最大の価値。北川氏は、そのことが直感的に伝わるデザインを考案し、販路拡大にも貢献したという。「08年のリニューアル後の売り上げは、約1.3倍に伸びた。小売店との商談もスムーズになり、取扱店舗が増えた」(平井氏)

08年にリニューアルしたサバイバルフーズのパッケージ。その後「他社の備蓄食のパッケージでも、おいしさを表現したデザインが増えてきた」と平井氏

永谷園との共同開発による商品のリニューアルでは、日本人の味覚に合わせて味わいも改良。それに伴い、パッケージデザインも従来のイメージを引き継ぎながらバージョンアップしている。そのデザインもGRAPHが担当した。

課題:災害時の食事こそ安心感を

サバイバルフーズの特徴は、保存性とおいしさの両立だが、リニューアル前のパッケージデザインは、「おいしさ」が直感的に伝わりにくいという課題があった。そのことについて北川氏は次のように話す。

「非常時、救援物資が届くようになって少し落ち着きを取り戻してくると、被災者には『おいしいものを食べて安心したい』という思いが芽生えてくると、平井さんから聞いた。にもかかわらず、サバイバルフーズという片仮名のロゴからは、サバイバルな状態を生き抜く力強さが最も強く伝わってくる。サバイバルという言葉の意味をストレートに表現しているからだ。実際、備蓄食は緊急時に食べるものなので、情緒的なデザインはふさわしくないという考えもある。だが、おいしさを伝える表現も、安心感をもたらすという意味ではとても機能的だと言える」(北川氏)

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