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そっと通知、運動を記録 Apple Watchは手放せない

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NIKKEI STYLE

スマートウォッチの代表格と言える「Apple Watch」。すっかり市民権を得て、腕時計全体の中でも売れ筋の製品へと進化した。今回は、2018年9月に発表された第4世代のApple Watchについて知識がまったくない方でもわかりやすいように丁寧にレビューしていく。

Apple Watchは、スマートウォッチの中でも、ダントツに人気があり売れている。そもそもスマートウォッチとは、スマホのような機能を内蔵した時計だと思えばいいだろう。時計サイズの小さなスマホだと考えてもおおむね合っている。

従来の時計はほとんどが時間を知るために使っていた。もちろん、Apple Watchでも時間を知ることはできるが、一般的な腕時計と違うのは、メールをチェックしたり、地図を見るなど、スマホ同様に多くの機能が利用できる点だ。とはいえ、画面が狭いので一覧性が落ちるなどスマホにはかなわない部分も少なくない。だからこそ、スマートウォッチはスマホと組み合わせて使うのが一般的。Apple Watchは、iPhoneと組み合わせるので、Androidスマートフォンしか持っていないと利用できない点には注意して欲しい。

日々の充電が必要

Apple Watchは普通の時計と違ってスマホ感覚での充電が必要だ。普通に使っていて、電池が持つのは1日半~2日程度でしかない。つまり、夜寝ている間に充電しておくのが一般的で、このあたりもスマホと同じなのだ。最初は、「こんなに電池が持たない時計は使えない」という人が多かったのだが、今はすっかりこの使い方が受け入れられている。

Apple Watchには、Wi-FiモデルとCellularモデルが用意されている。Cellularモデルは、Apple Watch単体で電話の受発信や、データの送受信が利用できる。iPhone本体を家に置いたままApple Watchだけを持ち出しても、ほとんどの機能が普通に使えるのだ。新しい回線契約は不要で、iPhoneと電話番号を共有する。大手キャリアはそのためのサービスを提供している。NTTドコモの場合は「ワンナンバーサービス」(月額税抜き500円)。同様のサービスはKDDI(au)では「ナンバーシェア」(月額税抜き350円)、ソフトバンクでは「Apple Watch モバイル通信サービス」(月額税抜き350円)という。月額料金のほか、通話代金、通信代金がかかる。この機能は3キャリアしか対応していない。格安SIMやサブブランドでは、Cellularモデルを買ってもWi-Fiでしか利用できない。

アクティビティーモニターとして人気が高い

Apple Watchが絶大な人気を誇っているのが、アクティビティーモニターとしての利用だ。ジョギングやサイクリング、ジムでの運動やヨガなどで、消費カロリー等を計れる。防水なので、水泳でも計測可能なのが素晴らしい。

例えば自転車で走る場合には、走行距離、平均速度、走行時間、心拍、消費カロリーなどが記録される。さらに、走ったルートの地図がiPhone上で詳しく確認でき、しかも速度が落ちている箇所までわかる。

このような計測をしていると、運動をするのがより楽しくなる。「前回よりタイムが伸びた」「最近サボっているから走ろう」といったことがひと目でわかるからだ。しかも、Apple Watchを手に付けているだけでOK。以前は、「ワークアウト」というアプリを実行してから、運動を始める必要があったのだが、最新モデルでは運動が始まったことを自動で検知して記録してくれるから、アプリを立ち上げ忘れても大丈夫だ。

Apple Watch Series 4では心拍計に加え、心電図を計測できるようになる予定だ(機能は搭載されているが、まだソフトウエアが未対応)。これにより、心臓疾患などで具合が悪くなってもすぐさま察知できる可能性がある。また、転んだり倒れたときにも自動で状況を判断し、救急に連絡をしてくれる機能も搭載する。

そっと知らせてくれる通知が便利

Apple Watchには、普段使うアプリもスマホ並みだ。メールやLINEもApple Watch上で確認できる。ただし、文字入力は音声入力や定型文を送るだけなので、簡単な返信にしか向かない。

それでも、運動中や電車の中などで、ちょっと内容を確認できるのが便利。重要な返信ならiPhoneを取りだして作業すれば良いのだ。なかでも役立つのが通知だ。手に付けているので、音を鳴らさなくても、バイブレーターのような感触で通知がわかる。打ち合わせ中に重要なメールの着信を待っているときでも、Apple Watchの感触で通知を感じたら、画面を見ればいい。スマホに目をやらないので、相手にいやな思いをさせない。

タイマーも簡単にセットできるので、カップラーメンができる音を周囲に聞かせることもないし、商談終了10分前に知らせてもらっても便利だ。さらに、スマホの音楽のコントロールもできるので、ボリュームの調整や曲のスキップもお手のもの。もう、満員電車でスマホを操作する必要はない。

また、録音も簡単に使えるし、小さな画面だが地図を表示してきちんと道案内もできる。荷物が多いときにはスマホよりもはるかに使いやすい。

おサイフケータイも内蔵するので、電車にも乗れるし、コンビニでの買い物も時計だけでできてしまう。

バンドの変更が楽しい

Apple Watchは、バンドを簡単に変更できるように工夫されている。アップル製のバンドや市販品を購入して気軽に変更できるのだ。普通の腕時計でもバンドの変更は可能だったが、さほど変えたくはならなかった。結局時計そのものは変わらないからだ。

ところが、Apple Watchは文字盤(ウォッチフェイス)が簡単に変えられる。バンドと合わせて変更すると、まったく違う時計のような見栄えになるのが楽しい。

Apple Watchの価格は、4万5800円から。時計として考えると妥当なプライスだ。まあ、機械式腕時計のように何十年も使えるような製品ではないが、少なくとも数年間は、従来の時計では考えられなかった便利な日常生活が送れるようになる。そう考えると、とても魅力的な製品だ。

戸田覚
 1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。

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