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日本株、配当込みで見たら意外な高値(平山賢一) 東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

2018/10/30

写真はイメージ=123RF
「個人投資家は配当を含まない指数に注目しがちだが、機関投資家は配当込みの指数で判断する」

10月に入ってから世界的に株式相場の変動率が高くなっています。米中貿易戦争への懸念から中国の上海株は安値を更新し、米国株も乱高下を繰り返しています。米中間選挙が控えているほか、サウジアラビアを巡る地政学リスクもあり、相場は上昇しにくい環境といえるでしょう。

一般的に株式相場は数十年単位の長期では上昇する傾向があるとされていますが、我が国の場合は少し違うようです。

日本株は1989年にピークアウトしてからは高値を更新することなく推移しています。今後の相場を占う上では、このような状況がいつまで続くのかが最大の焦点といえます。

■東株は四半世紀にわたって不調だった

しかしながら、歴史を振り返ると実は過去にも同様の動きが確認できます。明治期以降から現代までの期間で見ると、一貫した株価指数が存在しません。そこで明治から第2次世界大戦までの時期を東京証券取引所のルーツである東京株式取引所の株価で計測してみます。

東京株式取引所は1878年(明治11年)の開所以来、1943年(昭和18年)まで上場企業としてその株式が同取引所で取引されていました。通称は東株といい、株式相場が活況となり、売買高が増加すると取引所の利益が膨らむため、東株も大きく上昇しました。

景気見通しが良好になると、投機マネーが東株に流れ込み、他の銘柄以上に上昇する傾向が強まりました。それだけに、相場の指標として重宝されてきたわけです。

東株は23年の関東大震災時を含め、取引が成立しない時期がありますが、1878年9月を1とすれば、日清戦争終了後の96年6月に最高値(6.03)を記録しました。その後は、日露戦争終了後の1907年1月に4.49、第1次世界大戦終了後の20年1月に3.51というピークを付け、それ以降、低下基調で推移しています。日本証券取引所に統合され、東株が上場廃止になる43年4月には0.66まで低下したのです。

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