日本株、配当込みで見たら意外な高値(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

例えば、配当込みTOPIXの最高値は89年12月の2898.33ですが、2018年10月26日時点では2369.64で、その開きは18%となっています。18年1月には2781.89と、あと4%というところまで接近しました。一方、通常のTOPIXの1989年12月の最高値は2884.80で、18年10月26日時点の1596.01との開きは45%に達しています。

指数によって相場の景色はがらりと変わる

個人投資家は配当を含まない指数に注目しがちですが、年金などを運用する機関投資家は配当込みの指数で判断します。投資家の受け取るリターンは値上がり益と配当の合計だからです。一部の企業は統治強化の一環で株主配分を強化しており、配当を重視するようになっています。日経平均株価と配当込みの指数である日経平均トータルリターン・インデックスの過去10年の動きを見ても、配当込みの指数の優位性は明らかです。

足元では水準を切り下げた相場が再び上昇基調に入れば、バブル期に付けた高値を約30年ぶりに更新するかもしれません。見方を変えると、日本株は歴史的節目を超えるか否かの正念場を迎えているわけです。

それにしても、指数によって相場の景色ががらりと変わるのは興味深いことです。数十年にわたる低迷を嘆くこともできれば、新時代の到来を前向きに評価することもできるのです。これが金融の歴史を探る面白さでもあります。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
平山賢一
東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長。1966年生まれ。横浜市立大学商学部卒業、埼玉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。89年大和証券投資信託委託入社、97年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社、2001年に東京海上アセットマネジメント投信(現在の会社)に転籍。29年にわたり内外株式や債券を運用する。
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