日本株、配当込みで見たら意外な高値(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

つまり、東株は明治から大正にかけて好調だったものの、第1次世界大戦後にピークを打った後は、関東大震災、金融恐慌、世界大恐慌の影響もあり、四半世紀にわたり不調でした。

現代も相場は30年近く高値を上回らず

現代も日本株は日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)ともに89年12月の高値を上回ることなく、30年近く経過しています。80年代までのバブル時代は今や夢物語ですが、日本株が20年から30年という長期間において不調なことは珍しい現象とはいえないわけです。

ここで面白い事実を紹介しましょう。修正株価で見ると、風景が一変するのです。戦前の市場では既存株主への割り当てによる新株発行増資が行われていました。東株も創業以来、9回にわたって増資をしているため、新株発行に伴う権利落ちを調整して、修正株価を算出しなければなりません。

この修正株価は1878年9月を1として1920年1月に254まで上昇しました。43年4月には74まで低下したものの、単なる株価とは桁違いの上昇です。修正株価では64年超の期間における年率換算収益率(幾何平均)は6.9%であり、かなりの投資成果であったわけです。

配当込みの指数は最高値に一時4%まで接近

実際の投資成果には、配当も勘案する必要があります。配当分を再投資したと仮定し、修正株価に加えると32年12月には8990まで上昇し、43年4月に5357になっているのです。この間の年率換算の収益率は14%を上回っており、注目に値します。

実は現代においても配当込みの株価指数で見ると、アベノミクス以降は89年12月の最高値にさほど遠くない位置に近づいてきていたのです。

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