TWICE サナ 常にトレンドを発信できるグループに
メンバーの素顔(4)
鈴が転がるような愛嬌ある声で、歌っても話してもチャーミングなサナ。2018年8月に出演した『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、グループを代表してはきはきと受け答えする彼女の姿が見られた。韓国語の流暢さにも定評がある。言語のセンスが優れているのだろう。
「この1年、ライブをたくさん経験して、ダンスを踊りながらかつ歌も両立できるようにとすごく努力してきました。ただ、日本人メンバーとして日本語の面ではみんなを引っ張っていかないといけない立場なのに、言葉がすぐ出てこなかったり、話をうまくまとめられなかったりする時があり、自分の力不足を感じることもありました。韓国で活動する時に韓国人メンバーに助けてもらった分の、お返しができてない気がして」
関西弁のお茶目な女の子というイメージが強いが、インタビューではとても美しい標準語だ。
「あ! それこそがこの1年で1番成長したところかもしれません。日本でお仕事するなかで、標準語のイントネーションのコツが分かってきたんですよ(笑)!
大阪出身としては、大阪城ホールでコンサートをできたことは感動でしたね。(所属事務所の)JYPに飛び込もうと決意するきっかけになったのが、2PM先輩の大阪城ホール公演でした。日本語も上手でファンの方とのコミュニケーションもばっちりで、輝いてて…。それを見て『私もこんなふうになりたいな』と思ったんです。
だから大阪城ホールでやると聞いた時から、あの日客席で見てた情景が思い浮かんでましたし、公演の最中にも『あの日の私と同じ気持ちで皆さん見てくださってるのかな』と思ったらいろんな思い出がよみがえってきて。見に来た両親はずっと泣いてました(笑)」
ストレスは練習で解消
「歌手として生活していて1番のストレスは、喉の調子が悪いなと感じる時ですね。一気に自信を失って不安になってしまう。そのストレスを解消するには――とりあえずボイストレーニング。そうしてちょっと声がマシになった時が、ストレスから解放される瞬間です。私の場合目の前のストレスを他の何かで発散しようとすると緊張感が落ちてしまうので、そういう時はその問題に正面から向き合っていくしかないんですよね。
でもとにかくこの1年、スタッフも含めチームワークは最高でした! 日本デビュー以降さらに忙しくなって、正直、睡眠不足で疲れてる時もあります(笑)。でもステージに上がる前に円陣を組んで『TWICE、TWICE、頑張ろう!』ってやると気持ちが上がるんです」
ファンサービスにおいても"神対応"の呼び声が高い気さくな彼女。コンサート会場で一様にキラキラしているファンの表情を見ると、癒やしと自信をもらえるのだとか。
「ファン層の変化も日々感じてます。17年7月に日本でデビューショーケースをした時は学生の方が多いように感じましたけど、その次のコンサートでは年齢層が上にも下にも広くなってて。
ちなみに私のファンの方の特徴は…私と同じでテンション高めの方が多い気がします(笑)。でもそれでいてすごく鋭い目と深い愛情で見てくれてるというか。ファンからのメッセージを読むと、知り合いのお姉さんやお兄さんに相談事を話して返事が返ってきたような、そんな感じがあるんです。私がひそかに悩んでることに関して、『最近の表情を見てたら分かるよ』『今こういう所がしんどいとは思うけど…』みたいな。全部読まれてる(笑)。それって本当に勇気になるし、力になってます」
グループの目標・理想像を尋ねると、答えは明快だった。
「いつも皆さんに新しいものをお届けできる存在でいたいです。『これってTWICEから始まったよね』と言われるような、トレンドを発信する存在でいられたらいいな。というのも、昨年日本でデビューしてからTTポーズを、学生から芸能人の方までほんとに多くの人がまねしてくださったことで、皆さんのトレンドになれたんだなっていう手応えが大きくて。そんな『TT』でデビューしたからこそ、『常にトレンドの先端でいたい』と考えるようになったんです。
一方で、韓国デビュー当初のコンセプトは"ワイルド・エッジ"でした。日本ではかわいらしいイメージが強いと思うんですけど、個人的には、ワイルド・エッジと呼ばれるパワフルでかっこいいパフォーマンスも大好き。そういう姿も今後どんどんお見せしていけたらと思っています」
(ライター 上甲薫)
[日経エンタテインメント! 2018年10月号の記事を再構成]
※11月2日(金)から11月10日(土)まで日替わりでメンバー9人の個別インタビューを掲載します。11月6日(火)はジヒョです。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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