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九州 味めぐり

コンソメに焼あご 福岡の独創フレンチ 「TTOAHISU」(トアヒス)」

日本経済新聞西部夕刊

2018/10/25

江戸時代からの名残をとどめる福岡城跡近くの閑静な住宅街に入ると、木造の洞窟のような入り口が目を引く。店内は黒を基調としたシックな雰囲気。壁一面に描かれた福岡城が印象的だ。

イラスト・広野司

シェフの山下泰史氏(32)は東京などのフレンチ有名店で修業し2016年5月に店を開いた。「Made in Japanのフレンチを世界に発信する」。アジアの玄関口、福岡を選んだ。

ランチ8品(4千円)、ディナー10品(1万円)のコースのみ。スペシャリテのダブルコンソメは鶏ベースに豚骨、焼あごを加え、2日かけて煮込んだ。透き通った黄金色の熱々のスープに野菜のうまみが凝縮されている。

ヴィシソワーズはジャガイモの濃厚なとろみの中にスプーンをくぐらせると、コーヒーのパンナコッタ、アーモンド、生カラスミが。パセリ油の鮮やかな緑と混ざり、一口ごとに違う表情が美しい。

ランチでは、あぶりカマス×焼きナス、肉厚の黒豚×九条ネギのリゾットなども。食感が異なる素材を幾重にあわせた独創的なかけ算にただ驚く。スペシャリテ以外は月に1度ほどメニューを変える。

和洋の伝統を重んじつつ、既存の概念にはとらわれない料理。「フレンチというカテゴリーも取っ払いたいくらい」だという山下シェフの、ここでしか味わえない感動が、世界を席巻する日は遠くなさそうだ。

(江里直哉)

〈とあひす〉福岡市中央区大手門3の12の12 電話092・733・4600

九州 味めぐり」では食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。

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