ロボアドやAI イデコの運用支援サービス使いこなす

写真はイメージ=PIXTA
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個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」に加入しましたが、資産運用の経験や知識がなく、資産配分などをどうすべきかわかりません。参考になるツールはありませんか。

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イデコは個人で金融機関や運用商品を選び、その運用成績によって将来、受け取る年金額が変わる「確定拠出年金」の一つだ。

2017年から専業主婦や公務員にも対象が広がり、8月時点で加入者は100万人を超えた。加入者が急増する一方で、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝氏は「よく理解しないまま運用商品を選んでいる人も多い」と指摘する。

イデコでは掛け金の運用を委託する「運営管理機関」と呼ばれる金融機関ごとに口座管理手数料などが異なる。低金利の中、元本確保型だけでは資産を増やせないどころか、金融機関によっては手数料の分、資産が目減りしてしまう。

資産を増やしたいならリスク商品にもある程度、資金を配分する必要があるが、投資経験がない人にとって資産配分比率を決めたり運用商品を選んだりするのは容易なことではない。

イデコを手掛ける金融機関では資産運用を支援するサービスが広がっている。ロボ・アドバイザー(ロボアド)や人工知能(AI)などを活用し、資産配分や商品選びをサポートする。

日本生命保険は7月、「N―アシスト」という運用支援サービスを始めた。年齢や世帯年収、イデコの利用目的、元本割れリスクに対する考え方など簡単な質問に答えることでリスク許容度を判定し、推奨する資産配分と運用成績の試算などを提示する。加入者でなくても利用できる。

SBI証券は「イデコロボ」を展開。いくつかの質問に答えるとリスク許容度などを判定し、具体的な投資信託の商品名を提示する。マネックス証券でもリスク許容度、運用方針に沿った最適な資産配分を診断し、その配分に合った商品の組み合わせ例を提案する。

楽天証券は5月からAIを活用したチャットサービスを始めた。LINE(ライン)で質問を送ると即座に返答がもらえる仕組みで24時間、イデコの商品入れ替え手続きなどに関する質問に対応する。掛け金の節税効果も試算できる。

確定拠出年金では法律によって加入者へ継続的に投資教育することが義務付けられている。イデコの場合、その役割を国民年金基金連合会が担うが、実務は運営管理機関に委ねられている面が大きい。手軽に利用できるロボアドやAIが普及すれば、投資教育の機会拡大にもつながりそうだ。 山中氏は「加入者は定期的に運用資産の配分を見直してほしい」と呼びかける。イデコは老後生活に長い目で備えるための制度。年齢に応じてリスク許容度は変化するので、これらのツールを使って1年に1回などのタイミングで資産配分を見直すといいだろう。

[日本経済新聞朝刊2018年10月20日付]

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