シワ改善化粧品開発15年 ポーラ女性研究者の粘り腰ポーラ・オルビスホールディングス(上)

開発のプロジェクトチームを率いたポーラ・オルビスホールディングスの末延則子執行役員(撮影・窪徳健作)
開発のプロジェクトチームを率いたポーラ・オルビスホールディングスの末延則子執行役員(撮影・窪徳健作)

「シミに効く薬用化粧品はあっても、シワに効く薬用化粧品はまだ日本にはない。ならばそれを作ろう!」 ひとりの研究者の決意が、15年後、日本初のシワ改善薬用化粧品を世に送り出した。何度も大きな困難に見舞われながら商品化第一号を実現したポーラ・オルビスホールディングスの末延則子執行役員と、「すべての人のハートに火をつける」販売戦略でメガヒットに導いた商品企画部の山口裕絵執行役員に聞いた。今回はまず末延氏の開発ストーリーだ。

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1年半で134万本のメガヒット

日本初のシワ改善薬用化粧品 「ポーラ リンクルショット メディカル セラム」、1本1万3500円(2018年9月現在。発売時は1万5000円、共に税別)。日本人が1年間に化粧品に使う金額の約半額(17年総務省家計調査、2人以上の世帯)に当たる最高級価格帯の化粧品を求めて、17年1月1日、百貨店で女性たちがずらり行列を作った。売り上げは最初の1カ月で25万本、約36億円。以来1年半で合計約134万本、180億円へと膨らみ、購入客数は約66万人に及ぶ(18年6月現在)。17年6月からシワ改善薬用化粧品を発売した資生堂と合わせて、17年の1年間で推定約230億円という「シワ改善市場」を創出した。

シワ改善薬用化粧品 「ポーラ リンクルショット メディカル セラム」(撮影・スタジオキャスパー)

一つの商品でここまでの数字を作ったのはポーラ創業88年間で初めてのこと。2017年12月期のポーラ・オルビスホールディングスの営業利益388億円、前期比44.9%増に大きく貢献した。

35歳から50歳の研究者人生をかけて、この商品を開発したリーダーが末延則子氏。第一印象は楚々としてやさしげで、拍子抜けするほど威圧感がない。しかしその中身は、とてつもなく頑固だ。

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