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私のリーダー論

社外で磨いたバランス感覚 日野自社長の学び人生 日野自動車の下義生社長(下)

2018/10/25

「何歳になっても学び続ける意欲が大事」と話す下義生・日野自動車社長

日野自動車の下義生社長(しも・よしお、59)はトヨタ自動車で常務役員を務めただけでなく、米国駐在や大学院に通うなど多様な経験を積みながら、経営者に必要なバランス感覚を磨いてきた。「何歳になっても学び続ける意欲がトップには不可欠」と説く。(前回の記事は「裸一貫、トヨタで経営修行 日野自社長が説く危機意識」)

■40歳で再び勉強 相手の立場で考えることを学ぶ

――40歳で中央大学の大学院に通ったそうですね。

「直属の上司にだけ言って、同僚には内緒で通っていました。会社からはお金を出してもらっていません。若手の頃からオンとオフははっきり分けるタイプで、残業をしなくていいアフターファイブにわざわざ同僚と居酒屋に行って会社の愚痴を言うのは一番嫌いでした。それよりは社外で新たな刺激を求めたいと考え、大学院に通いました」

「もともと理系で技術畑だったのですが、商用車の事業は公共性が高いと考え、公共政策論を学びました。土曜日は毎週朝から夜まで授業と大変でしたが、議論を戦わせるディベートが理系人間にはとても刺激でした。政策論ですから、あるテーマに対して必ず賛成意見と反対意見がある。そして来週はこのテーマでディベートしますとだけ言われ、当日まで自分がどちらの立場でディベートをするのか教えられません」

「要は多様な見方で意見を言えるようにする訓練です。学生と社会人が半々だったので世代の違う意見もあって、それも面白かった。一つのものを見るにも、必ず違う見方があることを学びましたね」

――外で学ぶことで仕事のやり方は変わりましたか。

「相手の側に立って考えることは、すぐに役立ちました。説明する相手に応じて資料を作り替えるようにしたのも、その一例です。直属の上司と役員とでは求める視点が違いますよね。直属の上司には細かく理解してもらわないといけないが、役員だったら細かいことよりも大きな方針とか会社にとっての影響を説明しないといけない。それまでは、そこに気づきませんでした」

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