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恐竜時代の琥珀からカタツムリ 目も足もそのままに

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ナショナルジオグラフィック日本版

琥珀(こはく)の中で化石化した9900万年前の小さな陸生巻貝――いわゆるカタツムリの頭部と足、目(体からつきでた部位「眼柄」という)が発見された。この標本は直径5ミリほどの大きさしかないものの、恐竜時代に生きた陸生巻き貝の姿をはっきり確認できる。

カタツムリはミャンマー北部で採取された小さな琥珀(天然樹脂の化石)の塊に含まれていた。2016年に個人の化石収集家から購入したものだ。あまり保存状態はよくないが、もう1匹のカタツムリの殻も含まれていた。この琥珀は、現在、中国広東省潮州の徳煦古生物研究所に所蔵されている。

カタツムリの化石は、ほとんどが殻のみ。今回の発見で重要なのは、カタツムリの軟組織が保存されていることだ。カタツムリの軟組織が琥珀内で見つかったことは過去にもある。しかし、学術誌「Cretaceous Research」2019年1月号に発表された論文で著者らが述べているように、今回の標本は「これまで最古とされたものより7000万年以上も前の最古のもの」という点が際立っている。

研究を主導したのは、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(協会が支援する研究者)で、北京にある中国地質大学のシン・リダ氏。同氏のチームは、最近ミャンマーの琥珀で発見されたひな鳥、熱帯雨林のカエル、赤ちゃんヘビ、さらには羽毛恐竜のしっぽの発掘にも関係している。

昨日、樹脂に閉じ込められたよう

琥珀に生き埋めにされたカタツムリは珍しく、「ましてや軟部の体が残っているカタツムリの標本はほとんどありません」と言うのは、論文の共著者で、オーストラリアのメルボルンにあるモナシュ大学の古生物学者、ジェフリー・スティルウェル氏だ。

「古代の樹脂には非常に優れた保存性があり、何百万年も前の化石組織が細部に至るまで完全な3次元空間に残されていることがあります。まるで昨日樹脂に閉じ込められたかのように見えるほどです」と語っている。白亜紀の熱帯雨林の豊かな生物多様性について新たに重要なデータをもたらしてくれている。

琥珀に封じ込められたカタツムリは、熱帯および亜熱帯環境で見られる現代のヤマタニシ科と近い関係にある可能性が高い。ヤマタニシの仲間は、硬い蓋を持ち、殻に引っ込んだときにこれで口を覆うことで知られている。しかしこの標本は小さく、幼貝であることが、種の特定を難しくしていると著者らは言う。

「眼柄や、蓋のような構造が認められることは、特に注目に値します」と話すのは、17年にミャンマーの琥珀で発見されたダニの論文を共同で執筆した、英オックスフォード大学自然史博物館の化石昆虫学、リカルド・ペレス=デ・ラ・フエンテ氏である。

「琥珀を生んだ白亜紀の森を完全に復元し、めったにない3次元で保存された軟組織への窓を開けるために、このような発見は大変貴重です」

貴重な古代生物のサンプル

論文の著者らは、カタツムリが樹脂の中に落下したために、この驚くべき標本が形成されたとの仮説を立てた。たちまちこの粘度の高い液体で殻が覆われてしまい、中に体を引っ込めることができなくなったカタツムリが、逃げようとして体を伸ばしたところで完全に樹脂に包まれたのではないかと考えている。

米オレゴン州立大学の古生物学者、ジョージ・ポイナー氏は、素晴らしい発見だと評しながらも、カタツムリの全身が残った理由については別の仮説をたてている。むしろ軟部のふくらんだ形から、「捕食者がカタツムリを襲ってその体を引き裂こうとしたところ、偶然樹脂の中に落としてしまい、そのまま去った」と考えられると主張する。「樹脂をごちそうだと思う捕食者はいませんから」

ポイナー氏はかつて、軟組織が残る2000万~3000万年前のカタツムリについて発表したことがある。ドミニカ共和国で採取された琥珀の中で見つかったものだ。

ミャンマーから見つかる琥珀からは、琥珀に閉じ込められた動植物が続々と見つかり、現在、種の数は1000を超えるほどになった。そのほとんどがこの10年間に発見されたと、論文の共著者である英エディンバラのスコットランド国立博物館のアンドリュー・ロス氏は述べている。今回の発見も、このミャンマーの琥珀から見つかったものであることは注目だ。

「ミャンマーの琥珀の多様性はまさに驚異的であり、絶滅した原始的な種と、現存する近縁種に似た種とが混じり合っています。以前は岩の中の化石からしかわからなかった動物について、豊富な情報を与えてくれます」

(文 John Pickrell、訳 山内百合子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年10月17日付]

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