無印良品の冷食 「世界の煮こみ料理」など独自の魅力

日経トレンディネット

「鶏肉と根菜の京風お煮しめ」(200g、390円)
「カスレ(フランス風牛肉と豆の煮込み)」(160g、390円)

共働き家庭の増加で、ふだんの食事に冷凍食品を活用する家庭も増えている。お弁当用の副菜だけでなく、パスタなどの一品料理、中華丼の具、ボリュームのある肉料理などがスーパーで手軽に購入できる。また、コンビニ各社が扱う冷凍カット野菜を使っているという人も多いだろう。だが、「商品を作るうえでトレンドは特に意識していない」と鈴木課長。「消費動向を見て『売れているのはなぜか』をまず考える。そのうえで『無印良品がやるならどんな商品するか』を考えた」(鈴木課長)。

例えば、冷凍うどん。「確かにあれば便利だが、スーパーやコンビニなどどこでも買える。家で簡単に作れるものやどこでも買えるものを、洋服や雑貨を選びにきたついでに買うのだろうか」(鈴木課長)。スーパーと無印良品で食品を選ぶ動機は異なるはず。そうした考えからキッシュ、キンパ(韓国風のり巻き)、世界各国の煮込み料理など、「市場にありそうでないもの」をラインアップ。定番メニューに思えるギョーザも、「国産野菜を使っているということを前面に出せば差異化できると考えた」(同社食品部調味加工担当の日向桃子氏)。

「ほうれん草とベーコンのトマトクリームリゾット」(190g、390円)
ほうれん草とベーコンのトマトクリームリゾットのパッケージ

また、無印良品らしいと感じたのが無駄を省いたパッケージ。透明で中身が分かりやすいだけでなく、トレーを使っていないものも多いので、かさばらず、ストックしやすい。無印良品のヒット商品でもあるレトルトの「バターチキンカレー」などは、主婦の昼食用にまとめ買いされる例も多いという。冷凍食品も同様に、昼食需要としてのまとめ買いが見込めそうだ。

他社商品の価格は意識していない

スーパーなどで売られる冷凍食品は割引セールになることもある。それらと比較すると、無印良品の冷凍食品はやや高め。だが、「他社商品の価格は意識していない」(鈴木課長)。価格で比較するのではなく、他社にはない味を求める人や同社の商品に信頼を置いている人が選択すると考えているのだろう。強いていうならば、「今日は無印のレトルトカレーにするか、無印の冷凍食品にするか」という点で迷う人はいるかもしれない。

発売直後から品薄になる店舗もあり、ECサイトでの反響も大きかったとのこと。今後もアイテム数を増やしていきたいと鈴木課長は話す。

「キンパ(韓国風のりまき)」(8切れ入り、490円)
「クリーム大福」(4個入り、390円)

(ライター 樋口可奈子)

[日経トレンディネット 2018年10月11日付の記事を再構成]