スニーカー気分で疲れないパンプス 仕事も効率アップ
宮田理江のファッション戦略論
お仕事ルックに欠かせないパンプスですが、足の疲れや歩きにくさに悩まされたことがある方は少なくないでしょう。最近ではパンプスの進化が目覚ましく、1日中履いていても疲れない、ストレスフリーで過ごせるものも登場している。そんな新感覚パンプスを一挙紹介します。
パンプスはお仕事シューズの代名詞的存在だが、近ごろは進化が目覚ましい。「コンフォート(快適)」がおしゃれの重要テーマに浮上してきたのを追い風に、1日ずっと履いていても、ストレスフリーで過ごせるパンプスが増えている。仕事の能率までアップさせてくれそうな「パンプス新時代」をつかんで、オフィスでの足元をアップデートしていこう。
走りたくなるパンプス「ROCKPORT(ロックポート)」
「走れるパンプス」としてファンを増やしてきたのは、米国発のブランド「ROCKPORT(ロックポート)」だ。「TOTAL MOTION」シリーズには7.5cmのヒールを備えたモデル「VALERIE(バレリー)」がある。優美なシルエットを描いているのに、ヒールの高さを感じさせない。太めのヒールには頼もしい安定感がある。衝撃吸収素材を使っているのに加え、左右のブレを軽減する特殊プレートを組み込んでいるので、疲れにくく歩きやすい。
上品でクラシックなカラーはオフィスになじむ。深みのあるネイビーやボルドー、マルーン(えび茶)などの色は、知的なムードを演出する。
ジャストフィットのイージーオーダーパンプス
三越伊勢丹が手掛けるレディースシューズブランド「NT(エヌティ)」は、「ヒールの高い靴を探しているが、足に合うものがない。履き心地のいい靴はオシャレなものが少ない」という顧客の声をきっかけに誕生した。
新たにパンプスのイージーオーダーを開始し、「Your Pumps(ユアパンプス)」と名付けられたコレクションがパーソナルなフィット感を提案する。9月19日から選べる種類が増え、横幅が7種類、サイズが11種類、革素材が17種類、ヒール高が2種類、ヒール幅が2種類、トゥーデザインが2種類と、全1万472通りの中から、好みの1足を注文できる。
「靴の聖地」と呼ばれる東京・浅草との協業のおかげで、注文から約1カ月の短期間で仕上がるという。
スニーカーの老舗「MOONSTAR」から楽ちんパンプス登場
働く女性向けの靴シリーズ「SUGATA(スガタ)」を販売しているのは、創業145年の老舗靴メーカー「MOONSTAR(ムーンスター)」。
フィットネスウオーキングインストラクターの有資格者を含む女性社員が企画・開発した。靴底がしなやかに屈曲し、かかとが抜けにくい。スニーカーのように楽に歩けて、足裏の負担が軽い。
2018年秋冬シーズンの新作モデルでは、シリーズ初となる7cmヒールが誕生した。合わせやすいプレーンに加え、細めのボウタイリボンを足の甲に添えたモデルも登場している。
「履く働き方改革」でお仕事ルックを快適に
女性のお仕事ルックで、痛みや窮屈感の面で最も「我慢」を強いられてきたのは靴。でも、ヒールがしっかりあるのに、苦痛や不安抜きに足を預けられる進化系シューズなら、スニーカー気分で過ごせそう。「履く働き方改革」はすぐに試せて、効果も出やすい。
(画像協力 ロックポート、エヌティ、スガタ)
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年9月29日付記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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