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二重国籍、日本に「89万人」 世界は容認、企業に利点

2018/10/23

女子テニスの大坂なおみ選手の活躍により、二重国籍への関心が高まる(9月、横浜市)

日本と米国籍を持つテニスの大坂なおみ選手の活躍で「二重国籍」への関心が高まっています。生まれながらに両親の国籍が異なるなど、複数の国籍を持つ人への対応は国によって異なります。日本は22歳までにどちらかの国籍を選択することにしていますが、欧米諸国は二重国籍であり続けることを容認しています。こうした違いをどう考えたらいいでしょうか。

そもそも二重国籍者がどれほどの数いるかは、分かっていません。日本政府は選択義務を定めつつ、実際に選択したかどうかを把握していないためです。例えば二重国籍者が日本籍を選んでも、もう1つの国籍の離脱を認めない国があることなどが背景にあります。グローバル化の進展により、二重国籍の可能性がある人は増えているようです。政府は戸籍の情報などから、国籍の選択を予定する人の数を約89万人としています。

移民受け入れが日本より進む米国や欧州、オセアニアなどは二重国籍を原則として容認しています。名城大学の近藤敦教授によると、理由の1つは、2つの国籍の片方を捨てさせるのは「欧米では、人権侵害にあたるという考え方が根強い」(近藤氏)ためです。

もう1つは、二重国籍を容認した方が、国や企業にメリットがあるためです。移民の受け入れ国にとっては自国籍も取得させたほうが、国の運営をしやすい利点があります。グローバル展開する企業も社員が二重国籍であった方が、就労ビザなどの取得に手間がかかりません。

海外で働く日本人研究者の中には、外国政府への補助金の申請の必要などから外国籍を取得し、日本国籍を捨てざるを得ない人がいます。大阪経済法科大学の武田里子客員研究員は「国籍の選択を求める日本の制度は、海外で働く人にも厳しい状況を強いている」と指摘します。

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