働くママの罪悪感を解消 時短調理バッグ開発の舞台裏

2018/10/22
「手作り料理を簡単に」という思いから圧力調理バッグを企画・開発したライオンの渋谷恵さん
「手作り料理を簡単に」という思いから圧力調理バッグを企画・開発したライオンの渋谷恵さん
日経ウーマンオンライン

女性の「悩み」を解消してくれる商品やサービスは、どのようにして生まれたのでしょうか。出来立てのおいしい料理が、材料と調味料を入れてレンジでチンするだけで完成する「リード プチ圧力調理バッグ」。同商品を企画したライオン ヘルス&ホームケア事業本部リビングケア事業部ブランドマネージャーの渋谷恵さんに、開発にまつわる話を伺いました。

原点は、働くママたちの罪悪感を解消すること

自分や家族の健康を考えた食事を作りたい。でも、仕事後に手の込んだ夕食を作る時間と気力はない――。働く女性なら、誰しもこんな悩みを抱えているのではないでしょうか。2018年3月にライオンが発売した「リード プチ圧力調理バッグ」は、まさにこの問題を解決してくれる商品。材料と調味料を入れて、そのまま電子レンジで加熱するだけで、1~2人分の「おいしい手作り料理」が「簡単」に作れる時短アイテムです。

「リード プチ圧力調理バッグ」は材料と調味料を入れて電子レンジで温めるだけで時短調理が可能に(画像提供:ライオン)

「健康は食生活から、ということが分かってはいても、仕事後に手の込んだ料理を作るのは大変ですよね。私も仕事に追われて帰宅が遅くなることが多々あり、疲れていると、夕食をお総菜や外食で済ませていた時期がありました。そんなときに、『一人暮らしの私ですら料理をするのが面倒なのに、働いているママたちは、もっと大変なんじゃないのかな』と思ったんです。だから働くママのために、『パパッと簡単に調理ができて、これがあれば夕食を手作りしようかな』と思えるものを作りたいと考えました」と渋谷さん。

忙しく働いていると、ついついお総菜や冷凍食品、レトルト食品などで食事を済ませてしまいがち。もちろん、これらの食品もおいしくて便利ですが、毎日出来合いのもので済ませていると、「家族や健康のためには、きちんと料理をしたほうがいいんだろうな……」と思うのも事実。

「この商品を開発した根底には、働くママたちの『料理に対する罪悪感』を払拭したいという思いがあります。というのも、開発前に働くママたちにグループインタビューをしたところ、彼女たちの生の声として多かったのが、やはり『家事の中でも帰宅後の夕食作りが大変』という声でした。そして皆さん、『早く作りたい』という気持ちは大きいのですが、『ただ早く作ればいい』と考えているわけではなく、手間は減らしたいけれど、『きちんと家族の健康を考えた、おいしいものを作りたい』と考えていることが分かったんです」

渋谷さんによると、働くママの多くは、「家族のために出来立ての料理を出したいけど、時間がない。でも、毎日お総菜や冷凍食品、レトルト食品を出すのは、手抜きをしているようで後ろめたい……」という気持ちを抱えているんだそう。

「仕事も育児も両方頑張ろうと思っている前向きな女性たちの罪悪感を、少しでも解消できるような商品を開発したい。そのためには、『手作り』の『おいしい出来立て料理』が、『簡単』かつ『時短』で作れることがポイントだと思いました」

◆渋谷さんの《欲しいをカタチに》ストーリー◆

【きっかけ】
忙しく働くママのために「簡単に調理ができ、これがあれば夕食を手作りしようかな」と思えるものを作りたい
【案を通すことに苦戦】
なかなかレトルト食品や作り置き料理との違いが理解されない、調理バッグのよさや必要性を実感してもらえない
【「おいしさ」を伝える苦労】
会議やプレゼンの場で、商品を使った実演。出来立ておいしさを「体験」してもらう
【「欲しい」を「カタチ」にしたあとは】
発売後、交流サイト(SNS)などで拡散され、商品の周知が広がる。ユーザー自身が編み出した使われ方も生まれた
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「簡単」「時短」だけではなく「おいしく」できる