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進化する塩辛 原料に高級イカ、ワインに合うタイプも

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10月19日は日本記念日協会に認定された「いか塩辛の日」だ。10月はイカの旬で、イカの腕は10本、さらに塩辛はイカを熟(じゅく=19)成させた食べ物であることがいわれだという。晩酌やご飯のお供の定番だが、近年はイカの不漁で原料調達が難しくなっている。塩辛メーカーは量より「質の満足度」をアピールしようと、味や鮮度にこだわった塩辛の開発に力を入れている。刺し身用の高級イカを使ったもの、ワインに合う塩辛、イカ以外の原料を利用した塩辛など商品開発のガチンコ勝負が始まっている。

慶大と共同研究

海産物加工の飛鳥フーズ(新潟県三条市)が研究を続け「ようやく完成した究極の塩辛」(五十嵐七朗社長)と9月に発売したのが、「プレミアムいか塩辛」シリーズ(200グラム、1188円~1404円)だ。

何がプレミアムなのか。第1に素材だ。日本海沖でとれた刺し身用のスルメイカを使っている。とれたてを船上ですぐにマイナス40℃で急速冷凍。肉厚でもっちりした食感が楽しめる。

こだわりの2つ目が肝の鮮度。塩辛を生臭いと感じることがあるのは、肝の鮮度が落ちて酸化するためだ。同社は慶応義塾大学と共同研究して「身だけでなく、肝も生で食べられるような新鮮さを維持する方法を開発した」。プリプリのイカをクリーミーな肝であえ、酸化を防ぐ独自技術で発酵させた。

3つ目のポイントは大人の食卓シーンを考えていることだ。よく塩辛とワインは相性が悪いといわれるが、4種類ある「プレミアムいか塩辛」シリーズの「グリーン」はシャンパンや白ワインに合うという。肝のうま味を引き出し、隠し味にチーズを加えることで実現した。五十嵐社長は「お酒との相性の良さを追究した」と胸を張る。ビール党にはスパイスをきかせた「ブラック」、日本酒好きには白作りの「ホワイト」、さらに食事のシメにはご飯とぴったりの「レッド」がおすすめだ。減塩なのも大人にはうれしい。

社長肝煎りの一品を超える商品

イカの町、北海道函館市。函館空港に降り立つとまず目に飛び込んでくるのが、布目(函館市)が製造販売する「社長のいか塩辛」の巨大な看板だ。石黒義男社長が来客へのお土産用として配っていた塩辛が好評で商品化。これを超える味として売り出したのが「社長のいか塩辛 極」(200グラム、1296円)だ。2016年にイカの不漁で原料価格が急騰したのをきっかけに「量だけでなく満足度の高さで勝負したい」(布目征康取締役)と開発した。原料を厳選し、熟練した技で少量生産することにしたという。

「値段が少し高いので最初は北海道限定で発売したが、顧客から予想以上によい反応が返ってきた」と布目取締役は話す。ハリのあるイカの食感が特徴で、冷蔵庫で10日ほど熟成すると一段と風味が増してくる。物産展で人気が広がり、塩辛業界では珍しかった贈答品としての販路も開拓している。

イカの女王「ケンサキイカ」を銘酒の麹で

イカは全世界に450種ほど生息し、その3分の1が日本近海にいるとされる。ヤリイカやアオリイカ、ソデイカ、コウイカ……。中でも繊細な甘みに、プリッとした食感で「イカの女王」と呼ばれるのが山陰沖から玄界灘海域でとれるケンサキイカだ。

山口県萩市のイカ専門店「口福の馳走屋 梅乃葉」の塩辛「萩美人漬け」(3袋入り1296円)は一本釣りでとれた上質のケンサキイカを地元の銘酒「東洋美人」の純米大吟醸の麹(こうじ)でつけ込み「イカ本来のうま味、甘みを引き立てた」(福島淳也代表取締役)。「こうじ味」「さけかす味」「ひしお味」の少量ずつの小分けパックで、それぞれの味の違いを楽しめる。

シラス、甘エビ、サンマの塩辛も

塩辛の主な原料はもっちり、ねっとりした食感のスルメイカだが、不漁から回復する兆しはまだみえない。18年の漁獲量は過去最低だった17年を3割下回るペースで推移している。日本のイカ研究の第一人者、北海道大学の桜井泰憲名誉教授によると親イカの資源量がここ数年減少傾向にあるほか「今年もスルメイカの主な産卵場で低水温が続き、ふ化がうまく進まなかった可能性がある」。ケンサキイカやアオリイカはそもそも漁獲量が少なく貴重品だ。

そこで、シラスやサンマ、サクラエビなどイカ以外の多彩な塩辛作りに挑戦しているのが駿河屋賀兵衛(静岡県富士市)だ。東京・神田にある飲食店「駿河屋賀兵衛 神田万世橋店」ではカウンター中心のおしゃれな店内で常時40種の季節の塩辛や、アレンジ料理を楽しめる。

「バジリコいか」「ほたて塩辛」「生シラス塩辛」に「ずわい蟹(かに)塩辛」……。辛いものから、梅風味のさっぱりとしたものまで多種多様な塩辛を堪能できる。5種の盛り合わせ(1580円~)などが人気。「塩辛の可能性を広げたい」と同店の渡辺悠さんは話し、サンマやウナギなど限定塩辛が登場する日もある。近くには約60種の塩辛を持ち帰りできる専門店もあり、女性に人気だ。

イカの権威のお気に入りは木樽で熟成

ちなみに北大の桜井名誉教授が一番好きな塩辛は、函館市の小田島水産が昔ながらの製法を守る「特製いか塩辛 木樽仕込」(130グラム756円)。木樽で1週間熟成させると、微生物の活動で自然とおいしく、桜色に色づくという。ふんわりマイルドな口当たりながら、イカのうま味が濃縮している。工房では職人が木樽の様子をみながら、毎日棒でかき交ぜる。塩辛の伝統と愛情がこもった銘品だ。

(佐々木たくみ)

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