夫転勤でも女性社員働き続けて 藍沢証券、転籍後押し

なぜ、ここまで手厚い制度を取り入れるのか。角道氏は「日本の証券会社は顧客の信認を得ていないという反省が根底にある」と語る。もうけのために自分たちが売りたい商品ばかりを売り、顧客のニーズをないがしろにしてきた。貯蓄から投資へ、という長年の課題が解消されない要因もそこにあるといい、「自らのビヘイビア(振る舞い)を改革する必要がある」と指摘する。

女性に負担強いる現実を変えたい

角道専務と清水さん

顧客の信認を取り戻すには、本当に顧客が求める商品やサービスを提供していくしかない。「地域に密着して信頼を得てきた金融機関や教育機関と連携し、相互に補完しながら地域経済に貢献していく。そのためには担い手である社員が働きやすい環境を整えることが不可欠だと考えた」という。

今後の課題は提携先をどのように増やしていくか。地銀人材バンクのように、同じ業界内で一気に範囲を広げるのは難しい。同じ程度の規模で、似たような事業でないと、移転後の仕事をあてがったり、処遇を同水準にしたりしにくいという制約もある。角道氏は「まずは様々な業界で小さな輪が生まれ、それが少しずつ広がっていく。さらに、そのグループ同士が手を結ぶといった形がよいのではないか」と提言する。

「女性の活躍推進をうたいながら、実際には女性ばかりに負担を強いている現状はおかしい。少しずつでも変えたい」。同社の取り組みは会社を支える女性の担い手を増やし、競争力の向上にもつながるだろう。働く人にも会社にもメリットがある仕組みがどこまで広がるか見守りたい。

(村上憲一)

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