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台湾で「居酒屋」大人気 日本酒をちびり、シメは釜飯

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NIKKEI STYLE

台湾で、大人気の店がある。台北にある、釜飯と日本酒を楽しめる「Hanabi」(はなび)だ。台湾では今、しゃぶしゃぶや焼き肉、ラーメン、とんかつなど、代表的な和食が気軽に楽しめるようになってきているが、釜飯も日本酒の専門店も現地ではまだ珍しい存在で、新しい組み合わせに注目が集まっている。

台湾など中華圏やアジア全域に進出した日本企業の飲食店を取材すると、よく日本人店長がこんなふうに嘆いている。「現地の人は食事をするか、飲むかのどちらかだけ。ゆっくり酒を味わいながら最後に食事でシメるという居酒屋的利用が少ないので、滞在時間は短く、客単価が上がらずで、経営的に厳しい」

そんな経営者の悩みを見事に解決し、しかも地元台湾の人たちに人気を博しているのが同店なのだ。入店するとまず、日本酒の入った大きなショーケースが目に飛び込んでくる。全部で40種以上の銘柄を常時そろえているというからすごい。日本でかなり日本酒に力を入れている居酒屋に負けないくらいの品ぞろえだ。

その一方、店内を見回すとあちこちのテーブルで釜飯を楽しむ姿も目に入る。釜飯メニューは10種類ある。日本でも本格釜飯店ながら日本酒が40種類も揃う店は珍しいだろう。

席に座るとまた驚かされる。店内は日本の和風居酒屋のような雰囲気で、案内されたテーブルに置かれた取り皿と割り箸とメニューブックのたたずまいが日本の和風居酒屋の雰囲気そのものなのだ。割り箸には「吉野杉」と記載され、メニューブックには「思い切り呑んじゃおうか、パーッと!」と、日本語のキャッチコピーまで掲載。一瞬、日本の居酒屋にいるかのような錯覚を覚えるほどの徹底ぶりだ。

現地では珍しいこんなユニークな店はどのようにして誕生したのか。もともと台湾の居酒屋では、酒をじっくり飲みながら食事も楽しむスタイルはあまり見られず、シメがあったとしてもせいぜいスープなどだ。しかし、和食に精通していた台湾人オーナーは、「日本酒の居酒屋なのだから、シメは日本のご飯メニューがよいのでは」と考え、まだ台湾に存在しなかった珍しい釜飯を思い切って導入したという。

釜飯メニューの導入は、もう一つ効果をもたらした。釜飯は注文ごとに炊き上げるので、でき上がるまで20分くらいかかる。その間に日本酒片手に、サラダやつまみをはじめ、ほかの料理を楽しむので、そんなに酒を飲むつもりではなかった客でも、結果的に「じっくり日本酒を飲みながら料理も楽しんだ」となるのだ。

アツアツのお釜で提供される釜飯は全部で10種を用意(ほかに日替わりの旬の釜飯も用意)。「海鮮釜飯」(360TWD/約1332円)や「五目釜飯」(280TWD/約1036円)のような定番だけでなく、「洋風チーズトマト釜飯(鶏肉)」(320TWD/約1184円)や「鶏そぼろXO醤風」(320TWD/約1184円)といった洋風・中華風のものまでラインアップ。2007年の開店当初から釜飯を提供し、新しい和食・釜飯のおいしさを提案しながら、少しずつ釜飯の種類を増やしていったという。

一番人気があるのは、キノコが健康に良いというイメージで「洋風キノコ釜飯」(300TWD/約1110円)。二番目に人気なのは「鳥そぼろ味噌」(220TWD/約814円)。鶏肉は台湾で一番食べられているポピュラーな肉であり、肉なので満足感もあるからだという。ほかには最近の旬の釜飯として新鮮なイカを使った真っ黒な釜飯なども意外に人気だという。ちなみに釜飯には台南の上水優勝米を使用しており、もっちりと風味豊かだ。

「釜飯のようにおコメとだしを一緒に炊き上げるご飯料理としては、アジアでは香港の『ボーチャイファン』という土鍋飯が一番近い存在かもしれないです」と台湾人オーナーは話す。初来店の客のほとんどは、日本の釜飯をイメージできないので、「ボーチャイファン」のようにだしを加えて生ゴメから炊き上げる料理であることを説明すると、みんな「おいしそう!」という反応で注文してくれるのだという。ただ難点もあり、台湾では料理の提供スピードが早いので、釜飯を炊き上げるのに約20分もかかるのに、「時間がかかりすぎる」という声もたまにあるそうだ。

料理は基本的には台湾の地元素材を使っているのが特徴で、澎湖島から空運した天然魚や旬の野菜などを使っている。また料理サイズは小さめにしており、いろいろな料理を少しずつ楽しめるように工夫。全体的に台湾の飲食店に比べてやや薄めの味付けにしており、やさしい味わいで負担なく食べられる。

店長は「ほとんどの方がお酒を楽しみながら最後に釜飯を味わいます」と教えてくれた。同店の売上高のアルコール比率は25%だという。台湾で日本酒は日本の3倍くらいの値段だが、じっくり酒が飲める料理と雰囲気で、高くても好評のようだ。最近増えている日本酒好きがリピーターにもなっているとのこと。

シメの釜飯のほかの料理も、趣向を凝らしたものが多い。例えば刺し身は、カツオやシマアジなど日本でもおなじみの刺し身のほかに、「ベラ」という白身の刺し身も盛り合わせている(取材時)。コリコリした食感が楽しく、非常においしいと現地の日本人にも好評だ。

「温燻製牛肉サラダ」は冷えたシャキシャキレタスに、温かい薫製牛肉がのせてある。温かいので肉が軟らかくジューシーで、ドライトマトの濃厚な味わいとも相性がいい。ガーリックスライスも味のアクセントになっている。

塩・コショウと一緒に提供される「アメリカ産ショートリブステーキ」は、じっくり味わうのにちょうどいい一口サイズ。絶妙な焼き加減で軟らかく、ほどよい歯ごたえだ。皿の端に赤味噌が添えてあるのがポイントで、赤ワインにも合うような牛ステーキなのだが、深いコクの赤味噌をちょっとのせて味わうと、途端に日本酒の酒のつまみに早変わり。牛肉と赤味噌の新しいおいしさを、海外(台湾)で発見するとは! 日本人にもちょっと感動的な一品だ。

日本酒で特に人気なのが、「黒龍」や「賀茂鶴」など、海外でも有名なブランドだ。ほかに「大七 純米 生もと」といった生もと・山廃仕込みのものや、「火入れ」をしていないので管理が難しいとされる生酒などもそろえる。「日本が秋になれば、台湾には秋はないですが、台湾でも冷おろしを提供するんですよ」と流ちょうな日本語で説明してくれたのは、台湾人の女性スタッフ。

日本の日本酒専門の居酒屋と違うところは、一升瓶ではなく720ミリリットルサイズのボトルを基本とし、ボトル販売をしている点だ。台湾には日本酒専門の居酒屋がまだそんなに多くはないので、初めて日本酒を飲む客も多く、日本のように90ミリリットルとか、一合で種類豊富に提供していたのでは、開封したボトルが増えてしまい品質管理が大変なのだろう。中には300ミリリットルの小瓶でも提供している銘柄もある。

近年、日本酒に興味のある台湾人も増えてきており、じっくり飲んで最後にご飯ものでシメる日本のリアル居酒屋を体感できる貴重な店として、この人気はまだ続きそうだ。

(GreenCreate)

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