グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

World Food Watch

台湾で「居酒屋」大人気 日本酒をちびり、シメは釜飯

2018/10/18

「Hanabi」では釜飯を10種類もそろえる 写真は「海鮮釜飯」

現地では珍しいこんなユニークな店はどのようにして誕生したのか。もともと台湾の居酒屋では、酒をじっくり飲みながら食事も楽しむスタイルはあまり見られず、シメがあったとしてもせいぜいスープなどだ。しかし、和食に精通していた台湾人オーナーは、「日本酒の居酒屋なのだから、シメは日本のご飯メニューがよいのでは」と考え、まだ台湾に存在しなかった珍しい釜飯を思い切って導入したという。

釜飯メニューの導入は、もう一つ効果をもたらした。釜飯は注文ごとに炊き上げるので、でき上がるまで20分くらいかかる。その間に日本酒片手に、サラダやつまみをはじめ、ほかの料理を楽しむので、そんなに酒を飲むつもりではなかった客でも、結果的に「じっくり日本酒を飲みながら料理も楽しんだ」となるのだ。

アツアツのお釜で提供される釜飯は全部で10種を用意(ほかに日替わりの旬の釜飯も用意)。「海鮮釜飯」(360TWD/約1332円)や「五目釜飯」(280TWD/約1036円)のような定番だけでなく、「洋風チーズトマト釜飯(鶏肉)」(320TWD/約1184円)や「鶏そぼろXO醤風」(320TWD/約1184円)といった洋風・中華風のものまでラインアップ。2007年の開店当初から釜飯を提供し、新しい和食・釜飯のおいしさを提案しながら、少しずつ釜飯の種類を増やしていったという。

一番人気があるのは、キノコが健康に良いというイメージで「洋風キノコ釜飯」(300TWD/約1110円)。二番目に人気なのは「鳥そぼろ味噌」(220TWD/約814円)。鶏肉は台湾で一番食べられているポピュラーな肉であり、肉なので満足感もあるからだという。ほかには最近の旬の釜飯として新鮮なイカを使った真っ黒な釜飯なども意外に人気だという。ちなみに釜飯には台南の上水優勝米を使用しており、もっちりと風味豊かだ。

「釜飯のようにおコメとだしを一緒に炊き上げるご飯料理としては、アジアでは香港の『ボーチャイファン』という土鍋飯が一番近い存在かもしれないです」と台湾人オーナーは話す。初来店の客のほとんどは、日本の釜飯をイメージできないので、「ボーチャイファン」のようにだしを加えて生ゴメから炊き上げる料理であることを説明すると、みんな「おいしそう!」という反応で注文してくれるのだという。ただ難点もあり、台湾では料理の提供スピードが早いので、釜飯を炊き上げるのに約20分もかかるのに、「時間がかかりすぎる」という声もたまにあるそうだ。

料理は基本的には台湾の地元素材を使っているのが特徴で、澎湖島から空運した天然魚や旬の野菜などを使っている。また料理サイズは小さめにしており、いろいろな料理を少しずつ楽しめるように工夫。全体的に台湾の飲食店に比べてやや薄めの味付けにしており、やさしい味わいで負担なく食べられる。

店長は「ほとんどの方がお酒を楽しみながら最後に釜飯を味わいます」と教えてくれた。同店の売上高のアルコール比率は25%だという。台湾で日本酒は日本の3倍くらいの値段だが、じっくり酒が飲める料理と雰囲気で、高くても好評のようだ。最近増えている日本酒好きがリピーターにもなっているとのこと。

シメの釜飯のほかの料理も、趣向を凝らしたものが多い。例えば刺し身は、カツオやシマアジなど日本でもおなじみの刺し身のほかに、「ベラ」という白身の刺し身も盛り合わせている(取材時)。コリコリした食感が楽しく、非常においしいと現地の日本人にも好評だ。

「温燻製牛肉サラダ」 冷えたレタスの上に、温かい牛肉がのっている

「温燻製牛肉サラダ」は冷えたシャキシャキレタスに、温かい薫製牛肉がのせてある。温かいので肉が軟らかくジューシーで、ドライトマトの濃厚な味わいとも相性がいい。ガーリックスライスも味のアクセントになっている。

グルメクラブ 新着記事

ALL CHANNEL