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正解は、(1)ホントです。

中高年の中途覚醒で多い原因は「頻尿」

日本大学医学部精神医学系教授の内山真さんは「中途覚醒は年を取るほど増えることが分かっています」と指摘します。

成人2559名を対象にした内山さんらの調査によると、週に3回以上中途覚醒がある人は、男性は40~50代が10.5%に対して60歳以上は23.1%、同じく女性は40~50代が14.5%に対して60歳以上は19.9%でした。全体では40~50代が12.7%だったのに対して60歳以上になると21.2%に増えています。

(女性心身医学 19(1):103-9,2014)

では、どうして年を取ると中途覚醒が増えるのでしょうか?

中でも多いのは尿意で目が覚めること。若い頃はいったん眠ってしまえば朝まで目が覚めなかったのに、中高年は夜中にトイレに起きることが珍しくなくなります。

「腎臓や膀胱など、泌尿器の機能が低下して排尿回数が増えることもあるでしょう」と内山さん。男性の場合、膀胱の下についている前立腺が肥大してトイレが近くなることもあります。

「中途覚醒が多いのに昼間は眠くて仕方がない場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)や周期性四肢運動障害(睡眠中に手足が動くことで目が覚めやすくなる)といった病気が潜んでいるかもしれません」(内山さん)

また、年を取ると基礎代謝が落ちるため、必要とする睡眠時間が短くなります。一般に10年で10分ほど短くなり、平均睡眠時間は25歳で7時間、45歳で6時間半、65歳で6時間程度になるのです(Sleep. 2004 Nov 1;27(7):1255-73)。

「睡眠は長ければ長いほどいいわけではありません。必要な睡眠時間が短くなっているのに、若い頃と同じ時間眠ろうとすれば、当然睡眠は浅くなります。特に男性は年を取ると朝型になって早く眠るようになる。そのため、睡眠時間が必要以上に長くなりがち。実際、ベッドにいる時間を30分短くすると、中途覚醒が治る人は多いですよ」(内山さん)

また、「寝酒」は決して快眠につながらないので注意が必要です。飲酒により寝つきが良くなっても、睡眠が浅くなって中途覚醒を起こしやすくなるからです。「アルコールには利尿作用があるので、尿意も感じやすくなります」と内山さん。寝酒は睡眠全体に悪影響を与えますが、とりわけ中途覚醒を招きやすいことを覚えておきましょう。

[日経Gooday2018年10月15日付記事を再構成]

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