やってみるしかない 一歩踏み出せばキャリアは開ける東京海上日動火災保険常務執行役員 吉田正子氏

吉田正子・東京海上日動火災保険常務執行役員
吉田正子・東京海上日動火災保険常務執行役員

管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」。女性管理職が交代で執筆します。今回は、東京海上日動火災保険常務執行役員の吉田正子氏。3回目の登場です。

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キャリアビジョンが大事とよく言われますが、女性の皆さんからは「どう描くのかわからない」という声も聞きます。自分はどうだったのかを振り返ってみました。

20代の私は「将来なりたい姿」もなく「少しでも役に立つ仕事をしたい」という思いだけでした。そんなとき、女性の社会保険労務士の方と仕事をさせていただいたことがあります。りんとした仕事ぶりに憧れ、社労士の講座を受けてみました。

資格を取るには至りませんでしたが、その内容が当時の自分の仕事に役立つことに気づき、働くのが楽しくなりました。人との出会いと、ちょっとした好奇心で世界が少し広がった出来事です。

想定外の人事異動を多く経験し、そのたびに自分にはできないのではないかと不安を感じましたが、次第に「まずはやってみるしかない」と考えるようになりました。3カ月、半年とたつうちに前向きに仕事をする自分に気づき、驚くことがあります。全く違う仕事でも、それまでの経験が役立つ瞬間が必ずあり、点から線に、線から面に、時に立体にとつながり、変化していきます。

失敗も多く、上司、先輩にはよく怒られました。「泣かないように」と前置きされることもあり、先に言われると我慢できるのも不思議です。泣かない方が上司はしっかりとしたアドバイスができるのだと思います。誤りを指摘され、自分の考えと大きく違ったりすると、当初は落ち込むのですが、言われたことを反すうしているうちに「そういうやり方、考え方もあるのか、試してみようか」と、新たな道が開けてきます。

トラブルやピンチの時ほど「主観、客観、事実」の3つの視点を持つことが大事と言われます。指摘されたと気にするのではなく、内容を見つめ直すと、無用に落ち込まず、次にやるべきことが見えてきます。