取り切れない残留ハウスダスト 無力化するスプレー
注目の新製品をピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、ハウスダスト(アレル物質)を「無力化」するサンスターの抑制剤だ。
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●実勢価格/1500円(税別)
●内容量/290ml
●成分/エタノール、ハウスダスト無力化成分(ガロタンニン、フェノール系高分子)、ハウスダスト凝集成分、サトウキビ由来消臭成分、除菌剤、pH調整剤、香料(ユーカリの香り)
●発売日/9月5日
掃除で取り切れないハウスダスト(アレル物質)を「無力化」するとうたうスプレータイプの抑制剤「アレリア シールドミスト」がサンスターから発売された。
アレルギー疾患に対する治療や予防には、室内のハウスダストを取り除く「環境整備」が欠かせない。そこで、毛足が長く掃除しにくい、カーペットやソファなどの「残留ハウスダスト」に着目。日本アレルギー学会のガイドラインに沿った同社の調査では、カーペットの場合、6回の掃除機がけを行っても33%ものハウスダストの残留が確認された。
「取り切ることは不可能。ソファや寝具などの布製品は、掃除の『仕上げ』として、抑制剤が必要になる」(サンスター)と商品投入の狙いを語る。
最大の特徴は、さまざまなアレル物質を不活性化する成分「ガロタンニン」だ。植物由来のタンニン酸で、ポリフェノールの一種。これを、従来ハウスダスト対策に使われてきた化学物質のフェノール系高分子と配合し、不活性化の効果を高めた。猫の毛や、杉やヒノキの花粉など日本の居住環境に多い11種類のアレル物質を不活性化する作用があるとうたう。
ガロタンニンを採用した理由はまだある。人体に対する安全性が高く、寝具やソファなど布製品への着色も起こりにくいという。また、ハウスダスト凝集成分も含んでおり、アレル物質の舞い上がりを防ぐ効果もある。
日用品のハウスダスト関連市場は5年で約2割伸びており、市場は好調。しかし、似たコンセプトの商品もあるなか、価格や性能の差別化に課題が残る。「ガロタンニン」のメリットを訴求できるかがヒットのカギを握る。
[日経トレンディ2018年11月号の記事を再構成]
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