2018/10/20

今年に入り、シニア層を対象にした新たな投資信託が相次いで登場している。分配金を支払う回数を、毎月分配より少なくしている点が特徴だ。主流になっているのが隔月分配の投信。年金の支給がない奇数月に分配金を受け取れる仕組みになっている。

年に資産15%分配

野村アセットマネジメントが1月に設定した「野村ターゲットインカムファンド」はその代表格。新興国を含む世界の株式・債券などに分散投資するバランス型で、年3%程度(コスト控除後)の利回り確保を目指す。隔月で払い出す分配金の目標額は1万口あたり50円。同投信に新規設定時から100万円投資した人の場合は、毎回5000円の分配金を受け取ることになる。

三菱UFJ国際投信の「わたしの未来設計」は、1年先までの分配の目標額を示す。突然の減配などで購入者が困ることがないように配慮する。仮に期間中の運用収益が分配の目標額を下回った場合は、元本を取り崩して分配金を払い出す。元本をかたくなに守るのではなく、適度に取り崩しながら運用のリターンも狙う戦略と言える。

一方、SBIアセットマネジメントの「SBI世界高配当株プレミアムファンド」はコースによっては資産の15%相当を1年分の分配金として毎月支払う。これは久しぶりの「毎月分配」型だが、運用残高は数億円と小さい。

神奈川県在住の70代の男性は「生活費のためなら投信の元本が多少目減りしても気にしない」と話す。子供世代への相続に備えて資金をたくわえるよりも、自らの生活を優先させる思いが強い。

「野村ターゲットインカムファンド」は運用残高が500億円を超える。シニア向け投信が受け入れられている証左だが、運用と分配金の最適なバランスは個人によって異なる。自分にとって最適な投信を選びたい。

(根本舞)

[日本経済新聞朝刊2018年10月13日付]