EDの原因 50代~60代は精神的なもの? それとも…

日経Gooday

正解は、(1)ウソです。

50~60代で起きるEDのベースには血管の老化

EDとは、満足な勃起が得られない、あるいは勃起を維持できず性交で満足感を得られない状態をいいます。「性交はうまくいかないけどマスターベーションは問題ない」「5回の性交のうち4回はうまくいく」という人もEDに該当します。「性交はできるが硬さが足りない」という人も軽症のEDといえます。

昭和大学藤が丘病院副院長・泌尿器科教授の佐々木春明さんによると、EDの発症年齢のピークは2つ。第1のピークは30代後半から40代前半の子作り世代で、多くは精神的な理由による「心因性ED」。第2のピークは、50代から60代にかけて起きる「器質性ED」です。

(資料提供:昭和大学藤が丘病院泌尿器科)

「器質性EDは、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、メタボリックシンドローム、肥満、加齢などにより、血管が硬く、もろくなる(老化する)ことが原因で起こります。性的な刺激を受けると、脳から『勃起しなさい』という指令が出ます。それが勃起神経に伝わって陰茎動脈に血液が流れるのですが、老化した血管は硬くて血液がうまく流れ込みません。十分な血液が届かないので、勃起しても硬さが足りない、あるいは勃起しない状態に陥ります」と佐々木さんは解説します。

「陰茎動脈が硬いということは、EDの人は動脈硬化を起こしている、あるいは起こしかけているということを意味します。理由は、他の動脈に比べると陰茎動脈が細いからです。動脈硬化は細い血管から先に起こるため、真っ先にやられるのが血管の細い陰茎です。狭心症や心筋梗塞が起きる前から、陰茎では動脈硬化がひそかに進行しつつあるのです」(佐々木さん)。

つまり、ED患者は、心筋梗塞や脳卒中患者の予備軍だと佐々木さんは説明します。その一方で、日本人のED患者の受診率は推計8%[注1]と、非常に低い数字にとどまっているのが現状です。

「EDの治療薬はインターネットでも入手できますが、それらの約4割が偽造品という調査報告[注2]もあり、成分の含有量が多くて効きすぎたり、全く含まれなかったりと、悪質な偽造薬が出回っています。ネズミを殺す殺鼠剤や、中枢神経興奮作用を持つアンフェタミンを含むこともあり、正規のED治療薬よりも副作用が多く、死亡例もあります。ぜひ医療機関を受診していただきたいと思います」と佐々木さん。

受診の目安は、朝勃ちとマスターベーションです。「若い頃に比べて硬さが足りない、朝勃ちが減った、と感じたら動脈硬化が進んでいるかもしれません。50歳を過ぎて気になる兆候があれば、検査を受けることをお勧めします。血糖、コレステロール、中性脂肪などの項目のほか、動脈の硬さを調べる検査も有効です。受診は、泌尿器科か内科、あるいは血管についての検査設備のある循環器科でもいいでしょう」と佐々木さんはアドバイスしています。

[注1]ファイザー社による推計

[注2]偽造ED治療薬4社合同調査結果2016(調査期間:2016年3~8月)

[日経Gooday2018年10月9日付記事を再構成]

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