再びの米国発株安 調整か終わりの始まりか(藤田勉)一橋大学大学院特任教授

よって、トランプ氏は繰り返し、FRBに対して利上げを急がないよう促している。これに対して、「トランプ氏はFRBの独立性を侵害している」との批判がある。しかし、連邦準備法にはFRBの独立性は明記されていない。よって、トランプ氏が金融政策に対して直接的に意見するのは違法ではない。

トランプ氏はパウエルFRB議長が利上げを続けるようであれば、解任する可能性もゼロではない。過去、79年に当時のカーター大統領がミラー議長を事実上解任した例がある。実際には、パウエル議長が解任されることはないだろうが、トランプ氏の主張を無視できないことは確かであろう。

株価は永遠には上がらない、大いに警戒すべき

そもそも、米国の経済成長率は今年3%前後の予想と、景気は過熱という状況ではなく、インフレ率も2%前後と普通といっていい。これらを総合すると、来年以降、FRBは利上げのペースを落とす可能性が高い。よって、米国の逆イールドカーブは当初想定されていた2019年後半ではなく、20年以降にずれ込むことが考えられる。

いずれにせよ、今回の株価急落は短期に終わり、再度上昇に転じるであろう。ただし、株価が永遠に上がり続けることはない。さらに、長期上昇相場がいったん反落に向かえば、株価は半値以下になるのが歴史の教訓である。短期的には株価に強気だが、歴史的に見て、大いに警戒すべき水準にあることは確かである。

藤田勉
一橋大学大学院経営管理研究科特任教授、シティグループ証券顧問、一橋大学大学院フィンテック研究フォーラム代表。経済産業省企業価値研究会委員、内閣官房経済部市場動向研究会委員、慶応義塾大学講師、シティグループ証券取締役副会長などを歴任。2010年まで日経ヴェリタスアナリストランキング日本株ストラテジスト部門5年連続1位。一橋大学大学院修了、博士(経営法)。1960年生まれ。
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