再びの米国発株安 調整か終わりの始まりか(藤田勉)一橋大学大学院特任教授

逆イールドカーブはFRBが過度に利上げすることによって発生する。例えば、2004年にFRBは景気過熱、賃金上昇、米国住宅バブル――といった要因の抑制を目指し、利上げを開始した。当初は現在同様、恐る恐る0.25%ずつ引き上げていた。ところが、あまり効果が見えないので利上げペースを上げ、06年前半のおよそ半年間で、FF金利を1%引き上げた。これが米国住宅バブルを崩壊させ、その後のリーマン・ショックにつながった。

FRBが利上げを続ければ、新興国通貨の下落が加速し、それが引き金となって世界的な金融危機が起こる可能性がある。例えば、1997年のタイの不動産バブル崩壊で始まったアジア危機は、その後、韓国危機、そして98年のロシア危機、LTCM危機(米大手ヘッジファンドの破綻)と連鎖的に広がった。日本では北海道拓殖銀行、山一証券、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が破綻したのがこの時期である。現在、FRBは恐る恐る0.25%ずつ引き上げている状況である。よって、相場が大きく転換するほどの影響は出ていない。

FRBはトランプ氏の主張を無視できない

むしろ、筆者は当初の想定より世界の株価上昇が長期化するのではないかと考えている。その最大の理由は、トランプ氏によるFRBに対する圧力である。トランプ氏は不動産業を長く営み、その間、債務返済に苦しめられてきた。その結果、4度の破産(債務削減)を経験した。現在もトランプ氏とその一族は多くの不動産を保有するため、金利上昇に対して批判的であることは理解できる。さらに、利上げはドル高を通じて、米貿易赤字拡大をもたらし、結果として、トランプ氏の強固な支持層である白人労働者層に悪影響が生まれる。

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